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釜無山 その2
岩崎 和人

 6月16日に入会して初めての山行であった僕にとって、6月26日の夜は忘れられない出来事の一つになると思った。
 新宿駅の集合場所を教えてもらっていたものの、かすかな記憶を頼りに探したが三峰の人たちの姿はなかった。
 アルプスの広場には23時55分発の長野行きに乗るための人たちが列をつくっていた。僕もこれに乗るのだからここにいようと思った時、植村さんの姿を発見、ホッとして集合場所へ。
 8人が集合していたが僕だけ何とデイパック。ホエーブスを1個預かる。「アルプスの広場」へ場所を移した我々は伊藤さんの「一杯やっか」の声で宴会が始まる。その宴会の最中、乗車の列が動き始めて乗車し無事に席を確保し宴の続行となった。その後に桑名、麻生両氏が到着し10名となる。
 午前5時25分、青柳に到着。タクシーでと電話したもののタクシーは来られないとかで富士見から乗ることにして、先ず朝食をとる。
 富士見で二組に分かれてタクシーで登山口へ向かうが、突然、増田氏が「帰る」と言って帰ってしまった。二組は登山口で合流し登山を開始する。天気のせいかひんやりとした道である。急登もあれば緩やかな登りもありで、自分としては案外に楽しいものであった。8時10分、分岐点に到着して左の道に入り、しばらくすると「鈴蘭小屋」に着く。入笠湿原を少し見て林道を入笠山へ向かう。マナスル山荘を過ぎれば入笠山頂まで後わずかである。僕は軽装なのでトップで歩く。8時53分、ガスの中、山頂に到着する。
 記念写真の後、次の釜無山へ向かう。いつでも下山時の山道はスリルがあると思う。9時30分には大阿原湿原に着き、僕と桑名氏とで探検に行ったものの広いので引き返してしまった。
 釜無山へ向かう途中で道に迷ってしまい時間も昼に近かったので、そこで昼食となった。みんな色々持ってきているが久々に肉にありつけたし、焼きそば、豚汁はとてもうまかった。寒い時はあれが一番だと思う。
 昼食後、先程の分岐まで戻り今度は右へ進んだが釜無のピークには行かずに下山することになった。しばらく歩いてヤブコギ下山ルートとの分岐に差し掛かった時、植村さんが偵察に行ってビショ濡れ(勿論カッパは着ているが)になって戻ってきた時は恐怖だった。僕はポンチョだったのである。まあそこは開き直って頑張った。
 細い道を行くと、植村さんによるとそこら辺がピークだと言うので伊藤さんが「行こうや」と言って、一同ピークへ向かう。釜無山のピークは笹の中にあった。入笠山とは対象的に全く人気のない所だった。13時16分、スイカを切ってお祝いだ。とっても美味であった。
 いよいよヤブコギで下山にかかる。普通の道よりやっぱりヤブコギの下山は滑りやすくてスリルだと思う。おまけに笹は濡れているので尚更だ。天気は回復に向かっているようだが、そんなことは気にしていられなかった笹の道だったのが今度は石を含んだ土の柔らかいやつで、立木も腐っているのが多く一層スリルが増してくる。みんな落石を気にはしていたがかなり「ラック」という言葉が飛び交った。ヤブコギの恐怖から開放され細い道に戻り、目標だった小屋に辿り着いた。カッパを脱いで下山を再開、15時40分頃、林道を抜け17時06分、花場部落に到着。そこから「武智鉱泉」に向かう。
 話によると20分くらいで着くとのことであったが、疲れもあったがかなり歩いた。温泉で山の汗を流し冷たいビールで乾杯、夕食も済ませて一休止。
 小淵沢20時04分発の列車で帰ることになり温泉からマイクロバスで駅に向かい帰途についた。
 入会後初の山行は非常に楽しかった。思い出して、つい吹き出してしまうことなど色々あった。これからも楽しい山行にしていきたいと思っています。皆さんありがとうございました。


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