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八ヶ岳集中山行 その3 秋の天女山から赤岳
古矢 幸江

山行日 1982年10月10日~11日
メンバー (L)麻生、鈴木(竹)、市川、古矢

 新宿を0時35分に出発した私達は中央線、小海線、そしてタクシーと乗り継ぎ、7時に天女山の頂上に到着した。入会して初めての山行で不安のある私を前三ツ頭、権現岳が高く聳え威圧する。陽を浴びて輝く南アルプスをバックに記念撮影し朝日の中で朝食をとる。とても清々しい。
 出発は8時になった。最初はゆるい登り、紅葉に感激し富士山に見とれる。やがて樹林帯の急登になった。コース中一番きつい所である(視界も利かず単調で気分的にも)。この道が頂上に繋がるんだと自分を励ます。
 12時に前三ツ頭に到着した。ガスの流れが速く今まで見えていた三ツ頭があっという間に隠れてしまった。昼食をとり写真を撮る、鈴木さんの念力で?いつも写真を撮るときには霧が晴れる。「僕がいるから天気の心配はいらない」と一同を笑わせた。
 前三ツ頭から三ツ頭へは時間どうり到着した。権現岳への途中で3回目の交信をするがうまく届かない。時間的にキレットまで行けるかどうか難しくなった。明日のことを考えればキレットまで行きたいが無理はしないことになる。
 15時30分、権現岳に到着した。雲海の中に浮かぶ南アルプス、中央アルプス、北アルプス、そして後立山(らしき山々)が見事である。明日登る赤岳が目前にある。私達は例によって鈴木さんに記念撮影をしていただいた。いつまでも眺めていたい気分であるが、夕暮れも近いので出発する。
 いよいよ今日のハイライト、キレットの下りである。その梯子の長さ!何も考えないことにする。先頭の鈴木さんが下の方に見える。まだ梯子を降りている。いつまで続くのだろう、上からは市川さん、麻生さんが降りてくる。後で調べると10メートルの長さだった。麻生さんは数えながら降りたという。その冷静さに驚いた。さすが、リーダーである。
 小屋に17時45分頃に到着する。すっかり暗くなってしまった。幸運なことに小屋の主人が前に三峰に入会していた渡辺さんという方で親切にしていただいた。私達は暖かいストーブの傍で夕食をとった。
 翌朝はテントの中で食事。豚汁用の里芋を切りながら故郷の話になり、市川さんも私も同じ茨城と知り喜び合う。
 出発は8時、皆んなの待つ赤岳へと向かう。2日目は前日と打って変わり、またたく間の下山となった。
 テントの張り方も知らず、重いものも持てず、他の方に負担をかけてしまいましたが、お陰様で楽しい山行ができました。ありがとうございました。


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