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救助岩場編
川又 康司

 5月28日、30日と都岳連主催の山岳救助技術初級岩場編の講習会に伊藤さん、広瀬さんの三人で参加しました。
 28日は岸記念館でザイル・シュリンゲの結び方を中心に話があった。
 今まで自分では判っているつもりでいたが、いざやり方を少し変えただけでもう出来なくなってしまう。例えばブーリン結びを自分の身体に結ぶことは出来ても、立木にブーリン結びを作ることは出来ない。と同様にインクノット(マスト結び)も先ず輪を手元で作ってからカラビナにかけないと作ることが出来ない。その他、何通りかの結び方を教えてもらい、30日にはすぐにザイル・シュリンゲが結べるようにと注意を最後に、この日は終了した。
 そして30日、実施である。
我々三人は前日の夜から集合場所である鷹取山でテントで1泊、いつものように山をサカナにアルコールで全身消毒、身体を清め、明日の講習会を頑張ることを誓いつつ山の蓑虫となった。
 当日天気は上々で先ずザイルの結び方から始まり、次に各自ハーケンを打ち支点を取る。独立分散方式、変形エイトベントと進んでいく。この時シュリンゲとシュリンゲの連結の方法としてシートベントという方法を教わった。速く簡単に結べ使用範囲も広いので是非とも知っておいて欲しい方法である。尚、シュリンゲはテープ、ロープともテープ結びを使用し、末端はテープの場合はテープ幅の2倍以上、ロープは太さの10倍以上は必ず出しておくように。
 ここから場所を変え、半マスト(イタリアンヒッチ)による片手懸垂下降、下降中の仮固定へと移っていった。
 カラビナでの懸垂下降はエイト環を使用した場合よりザイルはキンクしやすく負担も多くかかるが、もしエイト環を落としてしまうようなこともあり得るので、そのためにもこの方法を知っておいて欲しい。またこの場合、使用するのは必ず環付きカラビナを用い環の向きに注意が必要である。
 ここで昼食を取った後、午後からは確保の場合のザイルの固定、プルージック結びでの自己救出、実際にザイルを切断しての救出方法が行われた。
 プルージック結びは片手だけを用いて作れるようにし、その他にカラビナバッチマン結び、バッチマン結びは巻き方を間違えないようにくれぐれも注意が必要である。
 この日は以上のようにして終了した。色々と勉強になった一日であった。
 尚、次の結び方は必ず覚えておくように。


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