8月29日、奥多摩の鳩ノ巣渓谷にて中級救助講習会が開催された。
次に講習内容を記す。
(1) | ザイル結束 | |
(2) | 分散支点の取り方 | |
(ⅰ) | 独立分散方式 | |
(ⅱ) | 流動分散方式 | |
(ⅲ) | 変形エイトベント | |
(3) | プルージック登攀 | |
(4) | 半マスト(イタリアンヒッチ)およびエイト環による懸垂下降と仮固定 | |
(5) | プルダウンシステム | |
(6) | ウィンチによる搬出訓練 |
以上、6項目について行った。
初級の講習と重複する点があったが、(5)、(6)については今回が初めてでありました。
各項目について説明いたします。
(1)、(2)、(3)、(4)については都岳連遭難対策委員会発行の山岳救助技術岩場編1~18ページ参照。
(5)、今回の講習ではこの搬出法がメインであり全員救助者、遭難者という仮定で訓練を行った。
(1)から(4)までの技術の応用編ともいうべきもので、イタリアンヒッチ、片手懸垂下降、仮固定、これら全てがスムースにできないとこの搬出を行うことは出来ない。同書、19ページ、20ページ参照。
(6)、ウィンチによる搬出は使用法と操作の仕方の説明を受けた。
使用法は遭難者をワイヤーの先に固定し、ハンドル操作によりそのワイヤーをドラムに巻き込んで搬出するものである。
一般的な山岳会には疎遠なもので、ウィンチを使用するような場合はかなり困難が伴うものと思われます。
以上、概略だけ記しましたが個々の内容については、岩登り講習会などを利用して随時実地訓練をしていき、一人でも多くの会員に基礎的な搬出法を身につけてもらいたいと思います。
これまで岩場における初級、中級の救助講習会に参加してきました。これらの技術が実際に行わなければならないようなことがあってはならないと思います。
しかし、技術は常に磨くべきでしょう。それが安全な登山へと繋がっていくと思います。
私一人の技術として身につけておくのではなく、会員一人一人に理解してもらいたいし、各個人が積極的に覚えるものであると思う。
今後も岩場、冬山で指導を行っていく予定です。
参加者:植村、勝部、広瀬