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金峰山
麻生 光子

山行日 1983年2月26日~27日
メンバー (L)川又、高木、国行、麻生

 2月26日、晴、久しぶりに古参メンバーが揃って出かけた。私にとっては富士山の雪訓以来始めての雪山だから楽しみでもある。
 信濃川上から金峰山荘までタクシーで入る。例年ならば川端下あたりまでしか入らないそうだが、今年は金峰山荘の改築で道がついており、容易に車が通れた。
 朝食を簡単に済ませて、オーバーズボンにスパッツと身なりを整えて出発。林道は30センチ程の積雪があるが、人の通った跡がありトレースははっきりしている。以前4月頃に来たという川又、高木両氏の記憶を頼りに後に続く。林道終点まで3時間30分、これから先は急登が続き軽いラッセルになる。樹林帯の中は70~80センチの積雪だ。なぜか高木氏だけがワカンを使い歩く。もうそろそろ小屋だと言いながら登って行くが、なかなか着かない。急登だけに苦しいやらおかしいやらで、半分あきらめていると青屋根がやっと見えてきた。林道終点から4時間。もう15時近くになっていた。
 小屋は窓が開放されており、出入りが自由にできるようになっている。荷物だけ置いて頂上をピストンする。小屋から頂上までは岩とはい松の窪地に足をとられながら登る。強風の中ラッセルの練習もする。頂上で記念写真を撮りすぐ下山。登り55分、下山20分。今夜の献立はクリームシチュー。
 2月27日、晴、昨日の下山の跡をたどりながら五丈岩に向う。強風のためゴーグルには霜柱が出来てしまい役に立たない。顔の凍傷など気にしながら時々手袋をはめた手で顔の知覚を確める(もっともこれくらいの寒さでは凍傷にならないと言われたが)。稜線からは360度の展望だが雪煙が舞い上がり富士山も見えなくなってしまう。そんな時には立ち止まったり耐風姿勢をとったりするが、基本通りの耐風姿勢になっているかどうか不安になったりする。それでも森林入口までの距離が記憶に残っているので気が楽だ。稜線歩き55分。後は帰りのバス時間を気にしながらも、ラジウム鉱泉でお風呂に入ることやヒマラヤから帰らなかった加藤保男さんの告別式が今日だったことを思い出しながら下山を急ぐ。稜線終りからラジウム鉱泉まで3時間40分でした。


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