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冬山救助講習会報告
佐藤 朋子

 都岳連遭難対策委員会主催の冬山救助講習会が2月24日、岸記念体育館で机上、27日、谷川岳の登山指導センター近くで実技、と分けて行われた。
 実技内容は次の通りです。

  1. 雪洞ビバーク
    初めは各自勝手に掘ったところ縦穴が多かった。指導者の指摘から木の根を利用した縦穴や雪庇を利用した横穴式が有効とのこと。今度は雪庇を利用した横穴に挑戦。ピッケル、メットを利用し、体を横たえるくらいの穴を掘る。穴は上に向って掘り、入口は小さくし雪が積もって穴がふさがらないように、外側へ下向きの傾斜をつける。換気には注意。外は吹雪だったが中に入ると暖かく風の音も聞こえない、快適だ。
  2. アンカー
  3. 搬出法
  4. ゾンデレーン
    雪崩による遭難者の捜索はゾンデ棒を使用して行う。ゾンデを刺した手応えで判断するので経験が必要だ。むやみに刺したのでは遭難者を傷つける恐れがある。雪量が多く、ゾンデ棒が達しない場合は探索壕を掘る。
  5. コンテ
    搬出の時、下降で確保に当る人が滑落停止などに利用するものだが、ザイル操作が複雑だ。確保者、滑落者をはっきり決めておかないと利用できない。ザイルはイタリアンヒッチを用いた。

 以上、概要をまとめたが詳しくは都岳連発行の「山岳救助技術・冬山編」を参考にして欲しい。
 山での事故は起こしてはならない。しかし、もし起きてしまった場合、他人を当てにせず自分達で処理できるだけの知識と技術は身に付けておかなくてはならない。それが登山者のマナーだと思う。
 私自身、1回の講習だけで修得できたとは思わない。今後、合宿などの機会がある度に練習し身に付けていきたいと思う。

参加者 片岡、赤松、佐藤(朋)


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