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シダンゴ山
今村 信彦

山行日 1983年4月17日
メンバー (L)鈴木(竹)、今村、渡辺(恵)、棚網、溝手

 明日は、まず確実に雨であろう。念のため鈴木さんに電話すると、予定通り行くと言う。雨のハイキングなど快適なものではないが、雨もまたそれなりの良さがあるものだ。
 この雨の中を山へ行くバカがいるとでも言っているような白い眼に耐え、集合地の新松田駅へ向う。今日一日、止みそうにもない雨、どの山に登っても同じだ。前に何度か登ったことのある不老山より、どんな小さくとも行ったことのない所、たとえ道標完備のハイキングコースであっても、自分にとって未知の山の方が多少でも楽しめるので、シダンゴ山に変更させてもらう。
 駅より雨具を着こみ、タクシーに乗る。田代向で下車、橋を渡りすぐに右折、民家の間を通り舗装された急傾斜の農道は、宮地山分岐で終わり、これより山道となる。雨に濡れた若葉が眼にしみ、ひときわ美しい。そして他に我々以外誰もいないのが、また嬉しい。歩けば暑い、休めば寒い、しばらくの間山らしい所を歩いていなかったのか足が重い、快調に歩く鈴木には感心するばかりだ。今年になって初めての山行だと言う渡辺さんは、少々遅れ気味だ。何も見えない雨の山頂。以前はアズマヤがあったらしいが、今はそれらしいものもなく、ツェルトを張り、先ずは日本酒で乾杯し、ゆっくり過ごす。下りは寄へ、雰囲気の良い山道は30分で終り、鹿よけのサクを越え、ここから急斜面の農道となる。膝が笑い出す程の急な道で、あっけない程の道程である。楽しみの一つでもある風呂とビールは、バス停にある寄センターが改修工事で休業中だが、行きも帰りも乗り物は全て空いており、快適なハイキングだった。

〈コースタイム〉
新松田駅(タクシー)(9:45) → 田代向(10:05) → シダンゴ山(12:00~13:50) → バス停(14:40~14:53) → 新松田駅(15:20)


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