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栂池スキー
渡辺 恵美子
山行日 1983年3月20日~21日
メンバー (L)中村、田原、江村(真)、広瀬、岩崎、高橋(弘)、川田、渡辺(恵)、佐藤(朋)、牧野

 3月19日、今夜出掛ける日に、栂池で雪崩の事故をニュースで知り、なんとなくいやな気分になる。新宿で川田さんの来るのを待っていると、前の方でもスキーを持った男性が人待ち顔で立っている。"あの人もスキーに行くんだなァ・・・"と見ていた。川田さんが来た時その男性は三峰の会員ですと紹介された。三人で夜行列車に乗り込み、栂池へと向かった。
 3月20日、駅よりスキー場までバスにするかハイヤーにするかと話し合ったが、結局ハイヤーで栂池スキー場へ向かう。ゴンドラの終点で降り、川田さんが三峰のテントを探し当てたが、そこには誰もいない。
 "どの山へ登るのか"と聞くと、"あの山へ登るんだ"と言われてびっくり、あそこ迄は行けない、スキーを持って・・・、自分はゲレンデで滑るからと言うと、川田さん達は15時30分までに帰ってくるからと言いながら山へ向かい、私はリフトへと別れた。
 1日券を買い先ずは山頂へ、馬の背という所を滑り出したのは良かったが、大変なコースで幅は狭いし、崖、急斜面、コブなどがありびっくり。一人だとどうしても度胸がつかず、相手がいればなんとかなるのに今日は一人"ああどうしてもここを滑らなければ下へは・・・"と考えてしまう。それでも転び転びしながら滑る。道路のコースに入ると今までと違って、なんだか物足りなく感じる。
 このリフトに乗れば、あのゴンドラの終点へ行けるのかと、一つ一つ聞きながら山頂へ乗り継ぎをする。馬の背のそばをリフトが通っているのに気づき、ぞーっとする。自分が滑ったコースは上級者向き、今度はハンノ木コースを滑る。
 山荘で昼食、また滑る。天気が良かったのでとても暑い、一人なので道を間違うと困るから、馬鹿の一つ覚えで同じコースばかり、これが最後とリフトに乗る。滑り下りると山の班はすでに下山していた。モートー。
 田原さんの話だとここへ着いた時は、このあたりは大変だったらしい。ヘリコプターは飛ぶし、救助隊がテントの前を遭難者を運ぶのを見たと話してくれた。だから雪崩の危険を避けてこの場所にテントを張ったらしい。私はゲレンデが近いのでこの場所が良かったと思う。
 雪の上で寝るのは初めてだし、夜がどのくらい寒いのかわからず、鈴木(竹)さんに話を聞いてきたので、夕食の時も寒くないようにしていたら、だんだん暑くなる。テントを出ると星がとてもきれい、何とも言えない気持ちが良い。夏用の寝袋に「ホッカホカ」を入れたり、身体につけたりして眠る。
 3月21日、人の話し声で目が覚める。テントから首を出すと雪が降っている、夕べはあんなにきれいな星空だったのに・・・。みんなは朝の運動にひと滑りとゲレンデへ、鈴木さんからシールを借りてきたので中村さんにつけてもらい一緒に登る。らくらく登れるので、昨日皆と一緒に登れる所まで行けば良かったと思ったりした。
 朝食後いよいよ下山となる。川田氏外1名はもう1日居るから、下で飲み物等を仕入れるからと一緒に下山する。ザックを背負って滑るのが初めてなので心配する。出発したが心配した通り背中のザックが重くて、重心が取れず転んでばかり、中村さんがザックを持ってくれたので大助かり、背中が軽くなると今度は快適に滑る。上は雪、下は雨、川田さんたちに見送られ栂池にさようならをする。もう一つの楽しみがありました、風呂です。岳の湯でゆっくりと入浴し、楽しい食事も済ませました。帰りには必ず風呂に入れることを楽しみにしている、おかあちゃんですいけませんかな・・・。
 本当に今年始めてのスキー合宿でしたが、参加して良かったと思いました。来年も是非参加したいと思います。


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