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50周年記念訪韓交歓登山
その6 雪嶽山に登って
庄野 優子

"雪岳山"
何と読むの、ソラクサン、
どこにあるの、韓国、
高さは、1708m、
どんな山、(ガイドブックによると)朝鮮半島の東岸を貫く、脊梁大白山脈にそびえ、韓国の山渓美を誇る山。
 と書くと、皆さん「へぇーすばらしい!」と思うことでしょう。そうなのです。本当にすばらしい、そして二度と体験できない山旅でした。でも行くまでは、紅一点なのでどうしようかな?外国の山に登れるのかな?途中でバテるのでは・・・?。皆の足手まといになるのでは・・・?等々。いろいろ考え、悩み、行く直前まで、今回は行くのをやめようかな、どうしたら良いのかなー、と思いました。でも行ってしまったのです。
 今思うと今回の旅は、いろいろと初めてずくしでした。京成上野駅でスカイライナーに乗ることから初めて、成田空港も初めて・・・(キョロキョロ)、そしてとうとう初めての飛行機に乗ったのです。そうなのです。空を飛んだのです。でも離陸する時はとっても怖かったのですが、雲の上を飛んでいる時は、ほとんど揺れず"雲の上ナノダ!"と思うと、すごく気分が良かったのです。成田を出発し、金浦空港着2時間余り。日本と同じ暑かったし、空港の所々に漢字の案内板があり、また雰囲気的にも"海外ナノダー"という感じが余りしませんでした。でも、日本円をウォンに両替した時"ついに海外へ来たのダー"と実感が湧いてきました。
 8月14日、いよいよ雪岳山登山の日、曇りでした。初めての海外の山、不安と期待を共に抱きつつ、登山口より樹林の中を登り始めました。丁度、今日は日曜日、そして明日(15日)は韓国の祝日(光復節)で連休のため、山へ登るパーティも多く、一寸歩調がゆるくなると、即他の人達にぬかされるし、また全く韓国語がわからず、下山してくる人と会っても--日本だと"こんにちわ"と言うところなのに・・・と思いつつ、また抜きつ、抜かれつ登っていく人に声もかけられず--無言で、ひたすら登りました。でも、何回かの休憩をはさみ、山頂近くになると、日本語およびカタコト英語で、少しずつ口元も緩んできました。そして下りの時は、登りの時とは違い、本当に乙支山友会の方々と混ぜこぜになり、難しいところはお互いに手を貸したり借りたり・・・。休憩の時には一緒にお花の名前を鈴木さんに教えていただいたり、またお菓子をつまんだり・・・ルンルン気分で一緒に下りてきました。
 2日間とも、せっかく楽しみにして来たのに曇っていたため、まわりの景色を眺められず、本当に残念でした。でも、でも苦しい登りの途中"フッ"と前方を見ると、笑顔で手を振ってくださったり、難しい所ではすぐ手を貸してくださったり・・・言葉が完全には通じなくても、言いたいことの半分も言えなくても、それ以上に同じ"山仲間ナノダー"という気持ちがなんとなくお互いの心を結び、一緒に雪岳山を登り、そして一緒に山頂で写真を写せたことは、山頂から360度の景色をバッチリ眺めるより、韓国一の山渓美を自分の目で眺めるより、もっともっと嬉しかったのです。
 韓国から帰り、早くも2週間余り、9月に入っていますが、只今の心境・・・いろいろあったけれど、本当に雪岳山へ行って良かったと思っています。播磨会長さん、伊藤委員長サン、田原団長サン、他三峰の皆様、そして乙支山友会および大韓山岳連盟の方々のおかげで、とてもすばらしい、一生の思い出に残る山旅でした。
 一緒に行った皆様には、お世話になりっぱなし、本当にありがとうございました。これからもお荷物になることは目に見えていますが、機会がありましたらいろいろな山へ連れて行ってくださいネ。ヨロシク・・・本当にありがとうございました。


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