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桧洞丸集中山行
その2 桧洞沢
広瀬 昭男

山行日 1983年5月29日
メンバー (L)広瀬、高木、佐藤(光)、古矢

 いつか登ろうと思っていた沢である、沢といっても悪場などはなくナメの美しい所です。
 我々桧洞沢パーティが一番早く頂上に着くだろうと予測していた。朝はノンビリと食事を済ませる。
 ユーシン沢出合いまで登山道があるが、我がパーティは沢通しに溯行する。途中大きな堰堤に阻まれ大高巻きしながら登る。
 このルートは金山谷ノ頭へ尾根を登ったことがある。その頃、登山道は荒れており所々崩壊したり、滝の巻道も途中で絶壁になったりしていたのである。今回もそのつもりで登ったが、大分整備されていた。
 出合いより桧洞へと向う。ナメ床の美しい沢だ。全く期待していた通りのフチ、カマが瑠璃色の清水をたたえて、我々を桃源郷へと導いてくれる。
 ザンザ洞出合いを過ぎると魚留ノ滝だ。大きなカマを持ち、滝の上からダイビングをしてみたくなる。
 地図には破線で道がついているが、実際には道はどこにもなかった。そろそろ沢のツメである乗越沢へ入る頃だった。ガスも湧いてきて視界が20メートルくらいしかない。地形の判断が困難になってきた。行動時間と地図でこの辺の沢だろうと思い登って行く。後で分ったのは、この沢はキョウガク沢の枝沢だった。土砂崩れが多く、なんとなく不安がよぎるが口には出せない。更につめて行くと、ボロボロの岩場が続く。崩壊が心配されるがヤブは巻けそうにない、皆して強引に登って行ってしまう。
 いい加減登り疲れてきた頃、ゴミがチラホラ「そうだ、もうツメだ」と思うと元気が出てくる。登山者の声が聞こえてきた。やっと稜線に出た。予定では金山谷乗越に出るはずが、大幅にずれて桧洞丸直下に出てしまった。もう一度地形判断が正確に出来るように勉強せねばならないと反省した。
 従って我々のパーティが一番遅れてしまい、他のパーティを長く待たせてしまって申し訳なく思っております。
 桧洞は、ゆっくりとナメやカマを見物するつもりで入谷すると期待は裏切られないと思われます。


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