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富士山
吉岡 誠

山行日 1984年5月12日
メンバー (L)吉岡、佐藤(明)、高橋(弘)

 本年度のスキーの滑り納めにと、委員長の切なる勧めにより、富士山吉田大沢滑降を企画した。
 5月12日、朝4時20分、委員長宅発、途中立川駅で弘道氏を拾い、中央高速より富士スバルラインを経て吉田口五合目へ。土曜日の早朝なので1時間強で到着。とても近く感じる。
 朝食と準備を済ませ、7時40分五合目発。荷は少ないがザックに付けたスキーにバランスがとりにくい。佐藤小屋上の六角堂付近まで平坦な道を行くが、昨年経験している二人の話では、雪が五~六合目付近では昨年よりずっと多いとのこと。
 六合目より夏道通りに小屋を目標に高度を稼ぐ。途中七合目より小屋の続く尾根の左脇の雪の斜面をキックステップで一歩一歩進む。三人でトップを交代しながらゆっくり進む。睡眠不足のためか頭がボーッとしている。昨年バテバテだった弘道氏が調子が良いとのこと。
 雪をうまく拾いながら歩く、風は時々強く吹く程度で冬富士の比ではない。数度の休憩の後、13時に頂上着。意外に寒い。頂上付近はほとんど雪はなく夏とあまり差がない。測候所をバックに記念写真を撮り早々に下山。風で息ができない。
 5分程下り、滑降準備をする。初めルートを本八合の小屋寄りにとり、小尾根を越して吉田大沢へと入った。幅100m斜度30度弱か。所々岩が出ているが、申し分のない大斜面に少々緊張する。表面がクラストしているので転倒しても平気かな、結果はオーライ。最初のターンで早くもコケる。一度転倒してしまえば平常心に戻ってしまう。明氏も何度もコケる。一人弘道氏優雅に滑る。弘道氏が言うには表面がクラストしている時は、ジャンプターンができなければダメとのこと。来シーズンの課題である。
 途中より雪も柔らかくターンもし易くなったのに、相変わらず転倒の連続。最後は岩の間を縫って滑ることになるが、岩にスキーを引っ掛け頭から転倒し遂にギブアップ。スキーをザックに再びくくりつけ五合目に向った。五合目に向う途中周りの人々の視線を少しは誇らしく感じながら歩いた。本当はコケてばかりだったのに。来年は技術向上の結果を十分に発揮してみたいと思う。来年はより多くの参加者が出るように期待します。

〈コースタイム〉
五合目(7:40) → 頂上(13:00~13:30) → 滑降開始(13:45) → 終了(七合目下付近)(14:30) → 五合目(15:25)

ルート図

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