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春山合宿
その3 後発ベースキャンプ隊
播磨 忠志

 5月5日、快晴、意外と空いている電車で土合の駅に着く、いつもの長い階段にはうんざりするが特に今日のような荷物の時はなおさらだ。
 駅で身支度をして広瀬班のパーティより一足先に芝倉沢のベースへと向う。一歩駅を出て広場の雪に驚く、今年は例年になく寒い冬で春になっても一向に気温が上がらないので、ある程度の雪は覚悟していたのだが。
 思った通り新道へ入るとすぐ雪路で、それもいたる所雪崩や雪の重さで折れた木が散乱していた。しかしそのおかげでマチガ沢も一ノ倉沢も雪の下で、いつものように飛び石伝いに苦労して渡ることもなく、ほとんど新人ばかりのキャラバンも無事夜が明けたばかりの芝倉沢到着。すぐにウィンパーを設営して朝食の後、2時間ばかり寝袋に入り横になる。
 9時にベースを出発、今回後発のベース隊は今年入会した新人ばかりなので、雪上訓練、特にキックステップを重点に訓練するつもりで芝倉沢を上へ向う。いつもの年よりも芝倉沢で雪上訓練をしているパーティは少ないようで、雪も豊富ということで旧道との出合いの少し下で急な斜面を選んでキックステップの練習する。午前中いっぱい練習し昼食の後、1時頃より芝倉沢を途中までつめて3時帰幕、本日終日快晴で、朝日岳パーティも本日の行動は全て予定通りに進行したようだ。
 夜は若い新人と共にテント内で大合唱となるが、若い連中とは年齢がダブルスコアーの我々はなかなか新しい歌についていけない。
 5月6日、快晴、昨日の天気図を検討してみると本日は天気は下り坂になる様子だが、朝起きてみると雲一つない快晴だ。昨日雪が腐ってあまり良く練習できなかったので4時に起床、朝食前5時頃よりテントのすぐ前の斜面にてキックステップの訓練及びアイゼンをつけての歩行訓練を行い、6時半頃朝食、8時にベースを出発、蓬峠に向う。途中8時35分の交信では、朝日岳隊は大倉尾根を下降中との連絡がとれた。
 前日蓬峠まで登っていた広瀬隊と白樺尾根に取り付く少し下ですれ違い、なおも登り続けると対岸に大倉尾根が湯檜曽川を挟んで見える。その尾根の上部に登山者らしき人影を見つけたのでモートーコールをすると、まぎれもなく三峰の朝日岳隊の連中で、そこから湯檜曽川へは斜面が急すぎて降り立つことができないので、トランシーバーにて下降路を指示しながら播磨のみその場所へ留まることとし、他の連中は鉄塔まで往復ということでなおも登り続ける。
 大倉尾根の連中もそれから2時間ばかりかけて無事湯檜曽川へ降りることができ、約束通り12時頃には皆無事故でベースに終結することができ、総勢28名、記念写真を撮ってテントを撤収し、谷川温泉へと向った。

〈コースタイム〉
5月5日 土合駅(3:30) → 芝倉沢ベース(5:00~9:00) → 雪上訓練(9:30~13:00) → 芝倉沢S字上(14:10) → ベースキャンプ(15:00)
5月6日 雪上訓練(5:00~6:30) → ベース出発(8:00) → 白樺尾根鉄塔(10:00) → ベース帰着(11:00)
食糧計画
5日 朝食各自、昼食各自、夜食ライス、豚汁、お新香
6日 朝食、のり、佃煮、味噌汁、お新香、ライス、昼食各自
なお、ライスは各自好みのものを持参、お茶の用意あり、アルコールは各自

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