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春山合宿
その4 B.C隊
岩崎 和人

 5月5日、3日から回復した天気は今日も好天、我々は蓬峠へと急登を開始したのである。まだ6時というのに雪はもうグズグズになってしまっている。B隊のトップの快調なペースに私はバテバテぎみだ。
 蓬峠からは稜線沿いの道で景色を楽しみながら歩いて行く。しかしながら景色を見ながら歩くというのは、今日はあんな所まで行かなきゃいかんのかという絶望的な心境にしてしまうのも悲しい。七ツ小屋山からジャンクションピークへ行くまでが、かなりの道程で皆んな疲れぎみのようだ。
 天幕は朝日岳ピークの直下にブロックの暴風壁があったので、それを使わせてもらう。夕方、各テントで歌あり、ものまねありで、退屈になりがちなテントの中も笑い声で疲れも吹き飛びそうだった。
 6日は3時起床、5時に出発の予定で行動を進め、5時15分には出発した。朝日岳のピークを踏んでからはアップダウンの連続で、隊のペースも乱れがちであった。笠ヶ岳で休憩し、大倉尾根の下降に入るといよいよヤブとの戦いである。8時にはもう雪がグズグズになっていた。ベース隊との交信をすると、我々のいる所とベース隊との位置が割りと近いことがわかった。しばらくしてベース隊を発見しトランシーバーの交信を再開し、我々の下降している所は下から見ると無理ということがわかった。下の指示により位置を移動する。既に日差しがきつくなり、水もなく皆んなバテぎみである。
 休憩の後下降に入った。急峻な斜面の下りはスリルだった。緊張させる場面もあったが、ようやく安全地帯まで降りることができた。ベース対の播磨氏と川又氏に合流し、ホッとしてベースに帰ることになった。
 雪に慣れるための雪上訓練のおかげで下れた新人の方もいたと思う。後はペース配分や水分の取り方に考慮する点が見られたことは確かである。
 大倉尾根の下降の際に指示くださったベース隊に感謝いたします。

〈コースタイム〉
5月5日 起床(3:00) → B.C出発(5:35) → 送電塔(6:10~7:05) → 白樺避難小屋(7:30~8:20) → 蓬峠(8:50~10:15) → 七ツ小屋山(10:35) → 清水峠(11:30~12:00) → シーバー交信(12:30) → 休憩(13:15~13:25) → ジャンクションピーク(14:30~14:45) → 朝日岳着(15:00)

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