トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ250号目次

勘七ノ沢(沢訓練)に参加して
佐藤 裕子
山行日 1984年5月20日
メンバー (L)吉岡、伊藤、小泉、佐藤(八)、平尾、佐藤(明)、小林、古矢、鈴木(章)、加藤、湯谷、山田、井筒、勝部、中沢、牧野、佐藤(裕)、赤松、小原、宮島、高橋(千)、鈴木(竹)

 林道を景色を眺めながらいろんな話をして歩いている時が一番楽しかったです。始めの内は今思うと大変面白いのですが、手塚治の「ブッダ」というマンガの話し(ある教えの中に全ての生き物は、人間でも植物、生物でも同じく生きる権利があり、それを壊そうとする者は、死んだ後も辛い目に遭うという真面目なマンガ話)を思い出し、歩きながら枝を折ってしまったり踏んでしまったりすると、謝りながら心の中では今度の滝では落ちてしまうのではないかと心配してたり、色々変なことを考える余裕みたいなのがありました。しかし、いくつかの滝を登っているうちにどの滝も同じように見え、どこの道を歩いてきたか場所の雰囲気は覚えていても、地図などで見てもまったく覚えていない状態なのです。大滝でのことは、はっきり覚えています。左側から斜上するところまでは足場があり岩もごつごつしており、安心して進めたのですがその後、上へ登る状態になると足や手を置く所がなかなか探せず、気もあせり始め動けなくなり本当に青ざめました。
 最後のガレ沢では体力を使い果たし、一歩一歩がとても辛く石をボロボロ落としてしまいました。ヤブの中を通った時は、あともう少し、あともう少しと思いながら景色を見る余裕もなく、枝にバサバサとぶつかり何も考えられずとにかく歩くことで精一杯でした。ヤブの中を抜けると少し明るくなり気持ちもワァーと明るくなった気がしました。
 花立山荘に着くと皆んなケロッとした顔で、私一人赤い顔をしてバテていました。その時、私はもっと体力をつける努力をしなくてはと、しみじみ感じました。帰りのバス、電車では日中話せなかった分、いろんな話をリーダーに話しまくってしまいました。失礼しました。
 今回の沢登りでは、三点支持と登るときや歩くときの足の置き場、運び方が何となく解りました。そして、ザイルの結び方も覚えられました。まだ沢登りが面白いという感じではないのですが、また行ってみたいなあと思いました。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ250号目次