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表妙義縦走
小泉 周子

山行日 1983年10月23日
メンバー (L)佐藤(朋)、小泉

 上野を20時7分の前橋行きで出発。途中高崎で乗り換え約20分で松井田へ到着。この駅は最終が行ってしまうと、ドアを閉め灯を消してくれるので気持ちよく寝ることができた。
 翌朝、5時に起床、6時のバスで妙義神社へ向った。10分程で着いた神社の階段を上って行くと、本門手前で右の登山道を行く。ジグザグ道を40分で鎖場、これを登りきると左側の岩上が大の字になる。ここまでは最初の登りのせいもあって結構汗をかいている。大の字からの眺めに見とれながらしばらく行くと、第一見晴しと奥院との分岐になる。この奥院コースは今迄と違い急道となっている。あぁ、やっぱりきついのかなーと思いつつも鎖場が続々登場。登山は登る程視界が開かれ、続々と出現する岩場に魅せられ、アレヨ、アレヨという間に高度を稼いでいき飽きる暇がない。やがて白雲山へ到着、ここでちょっとした岩場によじ登り紅葉した景色を前に一息ついた。
 相馬岳へ向う間で鎖が切れている下降場があったので、さっそくザイルを使って下降する。更に登り下りの繰り返しの後1時間40分で相馬岳到着。ここは森林に囲まれた静かな頂で、15分程休憩。ここからバラ尾根を通って東岳らしき岩場で昼食をとる。又ここでの眺めも最高!。今迄歩いてきた峰々が良く見える。
 この妙義は踏跡が多く、よくコースを誤ってしまうらしい。勿論我々も例外ではなかった。これまでもチョコチョコと道にだまされてきたが、東岳から鷹戻しまでがひどかった。正面に大岩がありワキに踏跡がある。当然この道を行くこと30分程下る。変だ変だと思いつつ、やっぱり変だと引き返して1時間。やっぱり、やっぱり違っていた。正面の大岩の小さな斜めについたルートをバランスよく通って行くのだった。更にこの先もう1ヶ所あやふやな所があり、30分程ロスした。ヤレヤレと思いながら歩いていたら、先行パーティが鷹戻しまで行って戻ってきた。とても難しくて登れないという。二人で「エー、そんなにすごいのかなぁー、どうしようか」とワクワクしながら向って行った。
 サテ、それから10分程で到着。いよいよだね、と朋子さんが取り付いた。鎖は3本、急斜ではあるが思った程ではなかった。最後のトラバースはロープシュリンゲが引いてあり、それを頼りに渡っていった。二人でフーンこれが鷹戻しかあと思い、サァ下るベェと前進。時間の都合上、金洞山はパスすることにした。
 再び鎖を使って2段の岩を降りていき、小さなピークを一つ越えた。更に進むとそこはもう金洞山になっており、又ルートが・・・・と思いつつ用心深く引き返していった。と、先程の小さなピークが朝日岳でそのすぐ先に小さな札がぶら下がっており、そこから岩場をトラバースして、1.5m程下の登山道へ降りるようになっていた。絶対にこれは道じゃない!と叫びたくなるようなルートであった。初めて来た人なら注意していたって見逃してしまう。せめて、はっきりした標識ぐらい立てればいいのにと思いながら、30分程で車道へ出た。この時はもうとっぷりと日が暮れていた。無事終わったねとお互いホッとしていた。
 私にしてみれば、ハイライトといわれる鷹戻しの岩場よりもルートファインディングの方がずっと難しく思った。又改めて登山の難しさを勉強したような山行だった。

〈コースタイム〉
妙義神社(7:20) → 大の字(8:00) → 白雲山(9:07) → 相馬岳(10:45~11:00) → 東岳(12:07~13:00) → 鷹戻し(14:30) → 第一石門広場(16:55)


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