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広沢寺ゲレンデ
佐藤 明
山行日 1984年7月21日~22日
メンバー (L)佐藤(明)、福沢、小原、増田、湯谷、近藤、加藤、平尾、関谷、牧野、市川、山田、冨岡

 7月21日、22日にかけて、この夏に岩や沢を登る予定の新しい会員のための追加講習が、丹沢の広沢寺ゲレンデで企画された。
 21日朝、雨の中を新宿集合。摂り合えずと行った厚木でも雨。ビデオ喫茶で雨宿りの後、出かけるが広沢寺行きバス停に着くや否や、またまた大粒の雨がザーザー。大雨注意報が出たこともあり今日の岩登りは中止と決め、その代りに鶴巻温泉の温泉会館へのエスケープルートを使って退却することになった。
 ここ鶴巻温泉へは丹沢登山の帰りに寄ることは多いのだが、いつも閉館後の4時過ぎに到着で入れたことがなかったため、今回の訪問の喜びはまたひとしおである。入口で休憩付の料金千円也を払い、缶ビールをタオルに忍ばせ風呂へ直行。残念ながら街の銭湯並の浴室である。
 朝風呂の後は大広間で酒を飲みながら婆さん連中の踊りに見入っているうちに日が射してきた。これはもったいないということになり、タクシーで広沢寺ゲレンデへ行くことになる。ゲレンデ到着の頃には、再び雨がパラパラ降り出したが、酔いも手伝い一本登ってみることにする。
 ルートは中央左寄りを登り、フレークから松の木に至る30mの4級ルートだが、濡れた岩はいやらしい。明、福沢、増田、小原の順で登るが最後が登る頃には土砂降りとなり、ゲレンデらしからぬ悪条件でトレーニングを積むことができた。この後、全員で厚木のサウナで汗を流し飲み直す。そして、後発隊を待つ佐藤明を残し全員帰京する。
 夜12時、後発隊到着、さっそく宴会が始まり2時まで続く。
 7月22日、今日の天気は快晴。暑い暑い皆で言いながら、右の10mの岩場でザイルワーク後、中央壁のクラック及び昨日のフレークルートを登ってもらい2時終了となった。
 この後は、三峰ではもはやクラシックルート化した日向山のコルから七沢温泉への道を辿り、総檜風呂で今回の山行のフィナーレを飾った。


湯谷 茂樹

 7月21日、朝7時新宿駅集合。メンバーは佐藤(明)さん、増田さん、福沢さん、小原さん、近藤さん。それに僕、集合時間に遅れてしまいました。8時30分頃本厚木着。しかし外は雨、雨宿りしようということになり、コーヒー飲み放題、パン食べ放題という店に入る。この店は夜はバーとして営業しているらしく、薄暗い雰囲気。大型のTV2台は絶えず恐怖映画のビデオがかかっていた。他に客もなく店内に一人佇むマスターも恐怖映画の主人公風。しばらくすると晴れてきたようなので店を出、広沢寺行きのバス停に向かいかけた途端、滝のような大雨。回復が見込めそうもないので中止、解散。せっかくの休みをペケにされて、増田さん非常に残念そう。シャッターの溝に手を突っ込みビルの壁を登り始める。一行は鶴巻温泉へ、近藤さんと僕は東京へすぐ帰る。その晩新宿駅で後発隊と合流、再び広沢寺へ向かう。本厚木からタクシーに乗る。生まれも育ちも本厚木という運ちゃん、何故か道を間違え夜のドライブとなる。途中メーターを切ってくれたので、かえって安く上った。どうもアルコールが入っていたようだ。
 一人さびしく後発隊を待っていた佐藤さん、朝見た恐怖映画が眼に浮かんで気味悪かったそうだ。自動販売機の小屋の中にテントを張る。雨には当らない、便所は目の前、いつでもジュースが買えるという快適な所。酒をちびちびやりながら4時頃まで起きていた。
 起床6時、晴天、眠い眼をこすりつつゲレンデに到着。先ず右側の10m程の岩でトップの確保、ラストの確保、確保からの脱出、懸垂下降等を教えてもらう。ザイルをつけずにフラフラしていて滑る。幸いすぐ下の人が支えてくれ落ちずに済んだ、ビビる。場所を真中の40m程の岩に移す。平尾さんの確保で右側の凹状を登る、足が震えた。昼食後、真中のルートを松の所まで佐藤さんに確保してもらって登る。今度は足も震えずしっかりと登れた。今まで味わったことのない爽快感がこみあげてくる。佐藤さん、ありがとうございます。太陽がカンカンに照り大変に暑かったけれど、一同それぞれに楽しんだのではないだろうか。七沢温泉まで1時間、檜風呂で汗を流す。風呂上がりのビールはうまかった。初めての岩登り、大満足の一日であった。


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