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甲武信岳集中登山
その2 鶏冠
岩崎 和人

山行日 1984年7月15日
メンバー (L)岩崎、高橋(弘)、千代田

 7月14日、甲武信岳集中後発3隊はテレビロケ騒ぎの中、新宿を後にする。
 少々の仮眠の後西沢渓谷入口より出発する。鶏冠谷は出合いから薄暗く余りパッとしない所であるが、ナメもあり大きな沢である。沢の両岸は戸渡尾根と鶏冠尾根がある。どちらも最後のツメは急な登りを強いられるのだ。
 さて、高巻きの連続で高度を稼いだ私たちは「逆くの字滝」に立ち向かう(前会報249号で私は逆くの字滝を巻いたなどと書いているが、あれは逆くの字滝の下部の滝である、訂正していただきたい)。高橋氏と美紀姉ちゃんは越したのだが、私はどうもギコチない、ヤバイのでザイルで引っ張り上げてもらう。「逆くの字滝」が終わるとナメが少しあって(そのナメも段になっていてナメとは言えない)、二俣に到着する。
 二俣からいよいよ本谷の溯行となる。いわゆる核心部は二俣より本谷に進んだ所のゴルジュ帯である。いきなり現れる25mの滝は左側を巻いた。巻き道は取り付きこそわかるものの、後は不明な点が多く各自の判断が要求されるところだ。その次5mでチョックストンの詰まった滝を2名がかなりシビアなトラバースをする。私は左の高巻きを選んだ。高捲きに関しては足元が崩れやすい、注意してさっさと足を運ぶ。核心部最後の滝は30mぐらいあり、私は左から巻いた。
 核心部が終わると後はナメばかりである。ナメといっても大声を出す程のナメではない、ナメもきれいではない。そんなナメで足を滑らせ約7mほど落ちてしまい、タライ状のカマにドボンとなる。
 さて、いよいよ水量も減って戸渡尾根への急登が始まった。かなりの急登で足元は良くない、地質はもろい方である。1時間余りで戸渡尾根の稜線へと出る。戸渡尾根に出てからも1時間ほどで甲武信小屋に到着し、先着の人々に迎えてもらった。
 今回は水の中を歩き過ぎて体力を使い過ぎたようで、尾根までのヤブコギからかなりのバテ気味だった。沢登りも水の中には程ほどにといったところだろうか。

〈コースタイム〉
鶏冠谷出合(5:30) → 二俣(6:45) → 30m滝上部(7:44) → 戸渡尾根直下(8:44) → 戸渡尾根(9:44) → 主脈稜線(10:40) → 甲武信小屋(10:55)

鶏冠谷遡行図

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