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甲武信岳集中登山
その4 東沢釜ノ沢
山田 仁恵

山行日 1984年7月15日
メンバー (L)吉岡、中沢、山田、山沢、市川

 新宿駅でTVのロケを見ながら「スカウトされちゃったらどしよう・・・」心配しつつ出発する。リーダーの寝顔を覗いたりして遊んでいるうちに塩山着。西沢渓谷入口までタクシーで行って仮眠をとる。ほんの1時間くらいで起床。だんだん明るくなろうという中、さっそうと歩き始める。本流は長丁場なので一足早く出たかったのに皆一緒になっちゃった。
 水量が多いせいか沢に入る前から靴を濡らしてしまいさっさとフェルト靴へ・・・(吉岡工房特注也)。山の神で一本とって沢に入る。足慣らし気分で歩いて、乙女の滝をちらりと見て更に行くと東のナメが見えてくる。私が身支度をしている間に、皆東のナメを登って行く。「えっ?ここ登るんじゃないよね」焦る私にリーダーはあっさりと「おいで」嘘だろう・・・。と思いつつ意を決してペタペタ行くと更に雄大なナメが開ける。リーダー「すごいだろう」私すごい(内心こんな所行けないよ・・・)リーダー「じゃ戻ろうか」あー良かった。見せてくれただけだった。
 ズンズン行って出合いを左に行き魚止の滝を越えて丸太を渡ってちょっと行くと、向こうの方まで続くナメに出る。水は緑で冷たく木が覆い被さって涼しくて、ペタペタ歩きやすくてとても良い気分。「奥秩父っていい所なんだなー」としみじみ感じる。
 両門の滝で景色を楽しんで、東俣の滝を巻いて上に出る。コテンコテン、ナメ滑りを楽しんだりしているうちに、傾斜が急になってガレガレしてくる。中沢さんが飽き飽きするほど登ってからつめに入る。沢でなくなった途端に足が重くなって、ちっとも進まない。へーこらしていると「モートー」の声。「小屋が近いんだ」とても順調に来たので「もしかしたら一着かも」と言っていたのに結果はペケ。別コースを行って上で会うというのはなかなか感慨深いものだなーと浸っているうちに頂上へ出発。下りもうんざりする程長く、一日でこんなにたくさん歩いたことなかったけど楽しくて、感激の多い山行でした。奥秩父も沢登りも大好きになりました。

釜ノ沢遡行図

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