山行日 1984年7月14日~15日
メンバー (L)高橋(千)、古矢、小林、近藤
小淵沢では今にも降り出しそうだった空も信濃川上に近づくにつれ、陽が射し青空も少し見えてきた。今回は足首の捻挫で1ヶ月ぶりの山行のリーダーの高橋千恵子さん、やはり足首を捻挫している小林博美さん、入会考慮中の近藤真理さん、そしてかねてから信州より甲武信岳に登りたいと思っていた私の女性4名、縦走隊である。
モウキ平でタクシーを降り、7時50分に出発。イチヤクソウの咲き乱れる林を過ぎ、千曲川を渡る明瞭な道、木洩れ日の中に苔むした木々が横たわっている。輝く緑が眩しい。八丁坂の急登をジグザグに登ると、途中出会った十文字小屋のおじさんが、今日はヒメダケ(キノコ)を採りにきたのだが、初物なので甲武信小屋まで届けて欲しいと言う。快諾したのはお裾分けへの淡い期待もあったのに、それはやっぱり甘かった―。一緒に話しながら十文字小屋に向かう。途中カモシカの横切った跡など教えてもらった。外側が丸太作りの小屋は原生林に包まれて建っていた。一泊したい趣きがある。10時着。軽く食事をして10時25分に出発する。ちょっとした登りとなり梯子なども出てきた。大山の下りで小林さんがまた足を痛めてしまった。大丈夫ということだが下りになると辛そう。武信白石は右側を巻いて道があるか、荷物を置いてちょっと岩遊び、頂上を往復、下る時少し肝を冷やした。三宝山へは奥秩父の雰囲気を味わいながらの登り、周囲は苔むしていて、ふかふかのジュータンのよう。美しい風景も整備された道の単調な登りに飽きてきた頃、三宝山に着いた。14時20分。小休止をし目的地の甲武信岳へと向かった。ひょっこりと出た甲武信岳の頂上からは展望もなく、小屋へ下りる。15時45分甲武信小屋に到着。
翌日は国師岳への縦走路を富士見台まで往復し、沢登り隊を待つことになっているが、小林さんの捻挫のため、私と二人で先に下りることに夕食後決定した。ところが翌朝になると、他の人達より少し早めに下山を始めれば平気なのでは、と変更してしまった。結果的に皆さんにご迷惑をかけてしまい反省しています。