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三国山
岩崎 和人

山行日 1984年10月21日
メンバー (L)岩崎、岩崎婦人、市川、関谷、遊佐

 三国山へ行ってきた。「三国山」なんて、どこにもあるような名前の山だね、なんて調べてみたら17ヶ所もあるのだ。
 今回は、山中湖の近くにある「三国山」へ行くのだ。20日の夜「つわ野」でしこたまビールを飲んだ後、雨の中新宿へ向かう。熊田さんが差し入れに来てくれた。ミカンとクリと酒だ。
 大月までは、遊佐さんとずっと話をしていて寝なかった。富士急に乗り換え、富士吉田下車、出来れば駅舎の中で仮眠をさせてもらいたかったが駄目だった。
 21日、昨夜の雨が晴れ上がり、おかげで寒い「耐寒訓練」などと言っていた私だったが、さすがにまいった。一番の御殿場方面バスに乗る。富士山が大きく、かつ見事に見えているが、我々の行く手の山の方はガスがかかっているではないか。
 篭坂峠で下車し、すぐに登り出すとハイキングコースの案内がある。朝食をとり出発する。落ち葉の上を歩く「落ち葉のジュウタン」は気分のいいものである。おまけに地面が火山灰のためか「ジャワッ、ジャワッ」と、足の感覚がたまらないのである。ほとんど急な登りはなく、楽な歩きであった。ただ、景色はまったく望めないのは何ともつまらぬが、その分美しい紅葉で我慢することにしよう。途中、開けたアザミ平という所へ行ってみると、SF的な所だなあと思わせる所があるが開けた所もガスで展望なしだ。
 大洞山で休憩するが、予定でも時間が早すぎるため大休憩となった。三国山へと向かう稜線の下は、なんと富士スピードウェイがあるのだ。おまけに今日は日曜日とあって、どうやらレースをやっているらしい。レーシングカーの音というものは、ものすごく大きいのか我々の方まで聞こえてくるのだ、これはなんともやりきれないと思う。
 あともう少しで三国山到着になる。これでは時間が早すぎるというので「ジャンケン」で歩いてみることになった。知っている人はバカゲタと思うかも知れぬが、これが割と面白い(グーだったら"グリコ"で3歩進むとか)。これで1時間かけて三国山へ到着、木々の間からの陽射しがとても気持ちのいい山頂である。
 後から大パーティが来て弁当を広げていたが、我々は一足先に出発した。三国峠までは10分という言葉のとおりすぐに着いてしまう。そこからの富士と南アルプスは実に美しい。約30分歩くと平野に着く。バスがすぐに着て乗車したが車内は「ヤダー、ウソウソーギャル」ばかりで、「富士スピードウェイ」の一件もあったが、富士間近の山は静かな山行が楽しめなくなりつつあるのではないだろうか。


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