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小川山
山田 仁恵

山行日 1984年10月7日
メンバー (L)田原、金子、加藤、中沢、高橋(弘)、川又、棚網、山田、平尾、井筒

 10月7日、出発は2組に分かれていた。先発は田原隊、後発は中沢隊だ。私の入った後発隊のメンバーは、車の前が運転手の中沢さん、助手の川又さん、後は井筒ちゃんと私。途中から弘道さんも、後の3人は狭いところで器用に眠ってしまった。目を覚ますと真暗闇の中、道を見失ったらしく前の2人は奮闘中で私達は思いがけないドライブに大喜びだ。あっ、何かが動いた。「イタチだ!」と川又さん。残念ながら私は見つけられなかった。あっ、また何かいるぞ!「牛だ」。今度は見たスポットを浴びた牛のお尻を・・・いきなり現われた物体に驚いたのか、慌てて逃げて行く牛の後姿だった。一体ここはどこなのだろう。充分楽しませてもらってからしばらくして、やっと金峰山荘を発見。暗闇の中から宴の声が聞こえ、男の人達はあっという間に吸い込まれていく。良い子の井筒ちゃんと私は車の中でおやすみなさい。布団を取りっこしながら夜が明け、岩のごつごつした山々と紅葉に囲まれていることを初めて知る。ひんやりした空気と景色の美しさに浸って散歩などをしていると、やっとテント組がゴソゴソと出てくる。荷物をまとめて出発。15分位歩いた所で早速取り付くことに決定。先ずは手慣らしに5m位の1ピッチを楽しむ。私は本当に楽しんだだけで登り切ることはできなかった。細かくザラザラした岩が憎たらしい。2本位のルートを皆が何だかんだと言いながら順々に登って行くのを下から見上げているうちに、もうお終い。
 帰りは恒例の温泉。お風呂を上ると当然のように乾杯。いくら頼んでも、つまみは漬物しか出てこない、ザラザラした岩のせいで漬物をつまむと指先がしみて痛い。温泉を出てからは井筒、山田のデュエットにのって、車はコスモス街道を走り抜けて東京へと向かった。


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