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集中登山 甲斐駒ヶ岳
その2 早川尾根隊
鈴木 章子

山行日 1984年9月22日~24日
メンバー (L)高橋(千)、佐藤(明)、市川、冨岡、鈴木(章)

 本当に甲斐駒へ行ったんだろうか、今でも不思議でたまらない、まるで夢のような3日間である。御座石鉱泉から地蔵岳、白鳳峠、アサヨ峰、仙水峠を経て甲斐駒ヶ岳。
 ほとんど何も覚えていない。忙しさに追われやっとの思いで、新宿発9時の甲府行きに乗ったっけ。人に連れて行ってもらう山はいい、気楽でいい一応新人だし、ただ黙ってついて行けば、パーティに慣れる頃には甲斐駒だろう。それが大きな間違いだった。
 オベリスクが見たかった。摩利支天が見たかった。初めて行く南アルプス、ドキドキ気分でスタートしたのに、新人顔もオベリスクまで、それから先は・・・・・。
 とにかく喋っちゃったんです3日間を機関銃みたいに。3日間、山に登りに行ったのか、山へ喋りに行ったのか、山の景色がほとんど記憶にないのです。気がつけば目の前に白い岩肌の摩利支天、雲一つない大展望の甲斐駒に着いたのは、24日の10時だった。他のパーティに会っても心はお喋りの余韻、山頂の大パノラマも笑って歪んで見えたっけ。女性4名に男性1名の参加者。大きな荷物を背にワイワイ、ガヤガヤ、早川尾根をドタドタ歩けば、すれ違った人たちはきっと「これぞ、早川尾根特攻隊」って思ったでしょう。
 途中、北沢峠まで酒を買いに行った明さん、彼の気持ちよく解かります。次回行く山行はもう少し静かに行ってきます。


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