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集中登山 甲斐駒ヶ岳
その5 北沢峠コース
播磨 忠志

山行日 1984年9月23日~24日
メンバー (L)播磨、鈴木(竹)、佐藤(八)、宮島

 9月23日(曇り後晴れ)
 伊那北駅より臨時のバスを出してもらい、仙流荘まで行く、そこより長谷村営バスにて北沢峠まで一気に登ってしまう。昔のことから考えるとまるで夢のようだ。自然破壊の是非はともかくとして、時間の余裕のない人にとっては大変ありがたいものだが、さりとてこういう事態を我々山屋はすんなりと容認できないところに複雑な心境があるものだ。
 空模様はあまりはっきりしないようだが、これからの天気が良くなることを期待し早々にテント場にテントを張り、朝食を済ませて仙丈岳へ出発する。いつもの通り北沢峠より深い森林帯の急登は、まだ急登に慣れぬ体とそれに夜行の疲れも手伝って中々きつい。
 一汗も二汗もかいて五合目に到着。丁度紅葉もこの辺りが一番の見頃であろうか、これから少々登って森林限界を過ぎ、小仙丈へ登り岩稜帯へ移るのであるが、本日の天気は良い方へ向かっているとは言え、まだ3000m級の稜線ではガスっており、ほとんど周囲の展望は得られなかった。
 山頂にて昼食の後、帰路は馬の背コースを取り下山した。途中、晴れ間より見た甲斐駒ヶ岳は花崗岩で真白く輝き、まるで雪を被ったようだ。
 峠に降り立つと早川尾根班の明さん、千恵子さん、それに冨岡さんがアルコールを仕入れに来ており、テント場で酒宴の後、明日の再会を約して彼らの幕場である北沢小屋へ帰って行った。
 9月24日(快晴)
 夜半よりの冷え込みは本日の好天を約してくれるようで、案の定大変なピーカンであった。しかしキャンプサイトでも霜が降りたぐらいだから朝起きるのが少々辛かったが、あまりゆっくりもしておれないので、朝食をなんとか流し込み、夜明けと同時に出発した。
 仙水峠までの登りは起き抜けの体には大変堪えたが、峠まで登ると太陽も大分顔を出し、それと同時に体の方も目覚めてきたようだ。あまり調子の出ない鈴木竹さんと宮島さんとは峠から別行動をとることとし、トランシーバーの連絡を竹次郎さんにお願いして、私と佐藤さんは皆んなとの待ち合わせもあることなので一足先に行くことにする。
 駒津峰まで登ると早川尾根班に追いついた。早川尾根班は駒津峰に荷物をデポし、頂上往復をするとのこと。我々はトランシーバーを借り、後から登ってくる竹次郎さんと交信するがうまくゆかず、少々駒津峰で待つことにするが、あまり遅くなるようなので先行した早川尾根班を追って駒津峰を出発する。途中で竹次郎さんとの交信もうまくいって、竹次郎さんたちは駒津峰より引き返すとの連絡を受け、皆んなの待っている甲斐駒山頂へ到着した。


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