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八ヶ岳・天狗尾根
小泉 周子

山行日 1985年4月13日~14日
メンバー (L)大塚、金子、関谷、鈴木(章)、小泉

 どんよりした朝、ギンギラギンの清里より途中までタクシーで入る。そこより林道をテクテク歩いて沢へ入る。他の2パーティが一緒だったが(出合まで)みんなどこかのんびりしている。
 もうそろそろと思う所で小屋が現われる。ここで一息ついてから取付くが雪がグサグサ、岩はガラガラで末端からは無理なので、赤石沢の左より取付いた。しばらくして雨がシトシト降ってきた。どーする? なんて言いながら登って行くが、ズボッと足が雪にはまるともうイヤになっちゃう。やがてやせ尾根に出て慎重に抜ける。適当な平地でテントを張る。この時はもうザーザー降りの雨だった。ちょっと早いけれど一杯、となって夜は更けていく。
 2日目は上天気で太陽がサンサン。頂上に向って出発。昨日よりは足取りも良く、ズンズン進んで行く。だけど私はお腹がへってどうしようもなかった。ザイルを出す度に、関谷さんから何かをもらって口にする。もう、伴子様々だァー。
 大天狗の手前で1ピッチ登る。右側の凹角を登って20m程の岩場だった。核心部の大天狗は右をトラバース。金子さんがトップでザイルを張って、プルージックで渡る。二人で先に小天狗の上まで行って三人を待つ間、のんびりと日向ぼっこ。もうお昼も過ぎているけどすごく気持ち良かった。
 その上はすぐに一般道となり竜頭峰を通って、赤岳山頂までヒーヒー歩いて行く。頂上だぁー。記念写真を撮って県界尾根の下りに向う。途中まで下ったがガスっていて尾根が全く見えないので西側を下る方が安全と登り返した途端、ガスが一瞬にして晴れ尾根が見えた。それ行けとばかりに再び県界尾根に引き返す。鎖場のある急斜面でアプザイレンを3回するが、3回目がかなりヤバイ、グサグサの雪が大塚さんの足元からガバーっと落ちていった。ワァースリルですね、なんて思いながら安全な場所まで行く。後は死ぬ程のながーい尾根をひたすら歩く。半分ふてくされながらとにかく歩いて陽の沈まないうちにどうにか林道に着いた。
 高根荘に辿り着いた時はヘトヘトで、特に大塚さんの疲労は大変なものでした。今回は半分は時間との勝負でもありましたから。でも、半分無理かと思ったけれど予定通りに行動できたのはリーダーの確実な、適切な判断のおかげでした。御苦労さまでした。

〈コースタイム〉
4月13日 車道出発(7:25) → 沢着(7:44) → 堰堤(8:38~9:00) → 出合小屋(10:05~10:35) → 途中昼食(12:20~12:47) → テント場着(14:10)
4月14日 テント場発(6:05) → 途中休憩(6:59~7:15) → 天狗基部(10:40~10:55) → 稜線(12:50) → 赤岳頂上(13:45~14:10) → 大天狗(16:30) → 小天狗分岐(17:30) → 林道(18:30) → 高根荘(19:30)

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