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会津帝釈山・田代山
大久保 哲

山行日 1985年7月20日~21日
メンバー (L)高橋(千)、牧野、大久保、樋口、服部、他1名

 7月19日、集合場所の新所沢を午後10時30分過ぎに出発。ワゴン車の中では樋口さん、服部さん、千恵子さん、牧野さん、そして今回は会員ではないがドライバーとして参加してもらった堀場氏の計6人が、サンルーフを開けたり閉じたりで賑わいのうちに一路会津へと向かう。
 福島出身の小生ではあるが帝釈山、田代山は一度も耳にしたことはないが、久しぶりの連休、それに温泉付きとなれば参加せずにはいられない。夜も明ける頃、木賊温泉に着く。仮眠の後出発。天気は快晴。細木沢沿いに登って行くが途中のルートが不明となる。やっとルートを見つけた頃、雷様が鳴り始め、強い雨に打たれながらヤブの中を進む。あまり雨足が強いので一時木陰に避難するが雨は上らず、小雨になった頃又、帝釈山へと進む。途中、あまり人が入らないのかフキの大群落をいたる所で見かける。このフキは太くて柔らかでまた来る時は是非フキ採りをしたいものだ、などと考えながら先へ先へと進む。次第にルートも険しくなり息も荒れてくるが、一向に雷様は鳴り止まず、やっとの思いで帝釈山の頂に立つが雨雲のため視界は悪く遠望は雲海の隙間に見えるだけ。頂上に立って判ったことだが、我々がとったルートは台風の影響で通行禁止となっていた。どうりで途中、ルートファインディングを何度もした理由だ。
 記念撮影の後、早々と雷様に追われるように幕営地の水場に向かう。この頃から小生の左膝が痛み出す。どうも雨に打たれて冷えたらしい、この雨でカッパの上着だけしか着なかったのだから。痛む足を引きずりながら何とか水場へ着く。
 二日目、やっと雨は上ったようだ。出発して間もなく田代山に着く、この頃には日も差し始める。田代山とは言うものの山ではなく湿原である。湿原の広さといい何となく鬼怒沼に似ている。ここでは湿原植物の勉強会となる。千恵子さんにチングルマを教えていただいた。開放的な湿原を後にするやいなや、この先地獄の苦しみが始まる。木賊温泉への下山ルートを進むにつれ、昨日からの左膝の痛みが激しくなり、みんなの荷物になり始めたのだ。次第にルートは急坂になり、膝は曲げることも辛くなる。ザックの荷をみんなに持ってもらうが申し訳なく思いながらも続く長い長い下山ルート。やっとの思いで林道へ着く。
 木賊温泉の共同浴場へ浸かると痛みも少しは和らいだ。こんな具合にして今回の山行を終えたが、自ら反省させられる点が随分ある。
反省

  1. 雨が降り出したらすぐに合羽を上下、必ず着よう。
  2. 張り切り過ぎず謙虚な気持ちを持とう。
  3. 人に迷惑をかけるな。

 最後に、今回の山行で小生の荷を分けて担いでいただいた服部、牧野さん、樋口さんにお詫び申し上げると共に、色々と気を使っていただいた千恵子さんにお礼申し上げます。


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