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大幡川四十八滝沢
大久保 哲

山行日 1985年10月10日
メンバー (L)今村、野田、牧野、大久保

 秋の長雨が続き、今回も又雨降りかとの前夜の不安も都留市駅に着く頃には久々の青空となっていた。今日10月10日は体育の日である。日頃多忙な毎日を過ごす私には、山行は唯一の体力作りであり息抜きでもある。
 タクシーで宝鉱山まで行き、沢を右側に見ながら歩くこと45分、登山道と沢が交わった所より溯行開始。水は冷たい、登るにつれ成る程四十八滝沢の名の通り滝の連続である。下流は平凡な滝が続き、まもなく今回のヤマ場"25m大滝"に出た。近づいてルートを探し、今村さんを先頭に、私、牧野さん、野田さんと続く。滝左側より中段に登り、冷たいシャワーを浴びながら右側へトラバース。そこから滝中央に近づきながら登る。岩をつかむ手が水に打たれ非常に冷たい。何とか私はザイルを使わずに登ることができた。続く牧野さん、野田さんは今村さんの確保で全員無事通過。息をつく間もなく連続した滝を登り詰めると、沢は狭まり二俣の沢の左側から地下よりこんこんと水が湧き出す水源に着いた。水筒に水を汲みヤブコギの後、三ッ峠の二つのアンテナの中央部稜線に出た。
 下山道は清八峠より笹子へ抜ける。清八峠へ進む途中、思わぬ幸運が待ち受けていた。登山道に立ちはだかる倒木に「ブナハリダケ」(正式にはカミハリダケ)が群生していたのだ。にわかにきのこ採りが始まった。手に持ち切れない程のブナハリダケをぶら下げ、野田さんに食べ方を聞きながら20号線に出る頃には暗くなっていた。思わぬ大収穫に顔をほころばせながら帰宅する。
 アーア、私は何と素晴らしい趣味を持っているのだろうと考えながら、ブナハリダケをつまみに盃を重ねつつ、今日の山行に満足し顔を赤らめながら、無事体育の日が過ぎていくのであった。

〈コースタイム〉
都留市駅発(9:20) → 宝鉱山着(9:35) → 溯行開始(10:20) → 稜線着(13:50) → 清八峠着(15:50) → 笹子駅着(18:20)


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