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富士山ビバーク訓練
千代田 美紀

山行日 1985年11月23日~24日
メンバー 中沢、湯谷、田中、千代田

 金子さんが大ナベを持ってヒョコヒョコ現われる。急に大阪に出張になって行けないと言う。(民間はキビしいなあと思いつつ)これでビバーク組は4人(中沢、湯谷、田中、千代田)となり、中沢号は一路中ノ茶屋へ向かう。
 11月23日、ゆっくりと7時20分出発、昨日の天気予報では今日は朝から雨、それも昼間に前線が通過するといっていたのに、どうも晴れそうである。まったく最近のNHKの天気予報は外れてばっかりである。半袖1枚になりエッチラ、オッチラ、ひたすら登る。佐藤小屋着が10時40分。目標は3時間、実際は3時間20分かかってしまった。天気は良いがさすがは五合目、風に吹かれていてはたまらず、ツェルトを被ってお昼の休憩をとる(1時間、休憩時間とはあっという間にたってしまうのよねー)。
 しかし、この時期の富士山にしては暖かな日だったと思う。この前の11月23日~24日に山行しました八ヶ岳と比べても、風は冷たくなくおまけに雪も七合目あたりからである。
 七合目の小屋でアイゼン、スパッツをつけ、ただ登り続けるだけ。今日中に頂上まで行ってビバークをするつもりだったが、バテてしまい本八合目の小屋の前(3300m)でビバークとする。
 何をするのも嫌で身体を動かすのもしんどくて、食欲もなく頭痛が続いた。カバーだけの予定であったが湯谷さんの貸してくれたシュラフにもぐり込み、早々に横になったが、二度嘔吐し一晩中気持ち悪いのが治らなかった。
 富士山は初めて、この高度まで来たのも初めて、これが高山病かなあと思うが、このくらいの高度で高山病なんてしょうがない!!。
 11月24日、昨日の天気とはうって変わって視界が悪く、ちょっと吹雪く、朝食もとれずこのまま下山と決め、ツェルト撤収にかかったが何とか歩けそう。頂上まであと少しなのに、このまま下山するのも悔しいしやっぱりあと400m頑張ることにし、頂上へ向かうことにする。気持ちは悪かったが、1時間で頂上に着いた。お釜も景色も何にも見えず、記念写真だけ撮り、早々に下った。下れば下るほど気持ち悪いのも治り、中ノ茶屋まで一気に4時間で下った。

〈コースタイム〉
11月23日 中ノ茶屋(7:20) → 五合目佐藤小屋(10:40~11:40) → 本八合目B.P(16:30)
11月24日 本八合目B.P発(7:00) → 頂上着(8:20~8:35) → 本八合目(9:00) → 五合目佐藤小屋(11:00) → 中ノ茶屋(13:00)

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