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檜洞丸
升田 直子

山行日 1985年11月17日
メンバー (L)佐藤(八)、伊藤、江村(皦)、高橋(弘)、冨岡、升田

 夜行日帰りの丹沢ハイク・・・・例会山行の計画表を見て、初心者の私にはハイキングという響きがとても親しみやすく最初に目に止まった条項でした。
 11月16日(土)の夜は西丹沢自然教室の前の河原にテントを張りましたが、テント使用は勿論、コンロ、寝袋等も初めての経験だったので初日から感動でした。
 今回一緒に行動してくださった方は伊藤光男さん、江村しろしさん、高橋弘道さん、冨岡明美さん、佐藤八重子さんの5名でフルネームは名簿を見てわかったのですが、このハイキングの時は"名前はそのうち話をしていれば自然にわかるよ"と敢えてかたい自己紹介は省き2日間過しました。
 17日(日)の朝、6時過ぎに起床。予想していたより天候が良く、軽く朝食を済ませ7時30分に出発した。最初の休憩をゴーラ沢でとりましたが、ここに着くまでに休みがなく、これから先のことを考えて少し不安な気持ちでした。展望園地では見晴らしが良くなく少し残念でした。その後の休憩では早く横になりたく、一歩一歩登る毎に辛くなり私一人の休みが目立つようになりました。その頃は紅葉を楽しむ余裕はなく、時折木々の間から見える車道を恨めしく思いました。
 足にだるさを感じいつの間にか足が上がらなくなり一歩前進も苦痛でした。3時間で登る予定が私の数多い休憩のため4時間を超え、それでも"大丈夫か"と声を掛けて下さったり、わざと荒い息遣いをして"疲れたな"と言っては更にペースを遅くして下さった心遣いを本当に嬉しく思いました。あと10分で頂上だぞ、と何度も励まされ、気が付くと地面を踏む足の感触が柔らかく、枯れ草が一面の殆ど傾斜のない場所を歩いていました。
 "あそこが頂上だぞ"というところを見ると、名前の如く丸い頂きで、あたりはブナの深林に囲まれ、11月の山を感じさせる雪もチラチラ降ってきました。青ヶ岳山荘で大倉尾根方面から登って来る予定の原口さん、田保さんと落ち合うため昼食をとりましたが、寒くて経験不足の私は、薄手のセーターにトレーナーとヤッケという簡単な服装のため、先輩方から手袋、ジャンパー等借りるという状態でした。(自分の手袋は気が付くと落としていたようでした)2時間弱の休憩を取りましたが、他の2名の方とは会えず登りと同じメンバーで来た道を下ることになりました。
 登りの遅さで大分迷惑をかけたので下りだけでも必死で付いて行こうと頑張ったのですが、やっぱり差が開き途中何度も滑り"転ぶ度にビール1本だぞ"なんて発破をかけられました。登りも下りも遅い私でしたが、必ず誰か後ろで見ていて下さってとても心強かったです。
 帰りは箒沢にある温泉、信玄館で一休みして新松田で解散しました。今回のハイキングで足腰の弱さ、体力のなさを情けない程認識しましたが、みなさんのおかげで無事に2日間を過せてとてもいい経験をしました。
 正しい歩き方、山の知識、用具の名称と用途など覚えることは沢山あります。線香花火のように持続させてこそ意味があるので、これからも例会に参加させていただいて、やっと付いて行ったハイキングでしたが、そのうち何とか付いて行けたと言えるように、少しずつでも進歩あるように頑張りたいと思います。本当にどうもありがとうございました。


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