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谷川天神平(雪洞訓練)
升田 直子

山行日 1986年3月8日~9日
メンバー (L)佐藤(明)、服部、荒川、鈴木(章)、升田

 3月7日(金)、上野発22時45分石打行きに、佐藤(明)さんをリーダーに服部さん、荒川さん、鈴木(章)さん、升田とリーダーを除けばお酒に弱いメンバーが揃い、車内では佐藤さんが眼のまわりをほんのり赤くしながら殆ど一人酒。私は自分でもわからないうちに、ひんしゅくを買うような飲み方をしてダウン。24時を過ぎだんだん車内も人が少なくなり静まりかえると、しばらく仮眠をとり2時16分土合に着きました。
 初めて土合に降りたのですが、コンタクトを外していたのとお酒が入っていたので、480段の階段といわれてもピンとこなくて、ただひたすら皆んなについて行くだけでした。とは言うものの登り終わるとかなりこたえて内心"この付近の山に来る時はまた経験することになるんだなあ"と思いながらも、様子をうかがっている佐藤さんには"平気です"とがまん、がまん。
 翌朝7時起床。少し食料をお腹に入れて谷川ロープウェイまで20分弱歩きました。雪焼け間違いなしの快晴で気分も最高。9時にロープウェイが作動し、10時頃に去年造った雪洞付近で5人用の大型雪洞づくり開始。スノーソー、スコップ、養生シートをフル活用し、全員交替しての作業でしたが、汗びっしょりになるものの、とっても面白くなかなかやめられませんでした。なんとなく型が出来上がり、12時お腹もすいて休憩。12時30分から最後の仕上げで天井をドーム型にして完成。私たちより少し遅れてきた隣組の雪洞もほぼ同じくらいに出来、谷川岳へ行ったようでしたが、一方こちらは意外にも大きく余裕を持った雪洞を満足げに見ながら、いよいよ滑れるぞということで疲れもどこやらと、ホイホイ出掛けるところはサスガと脱帽。
 早速それぞれのコースに別れてしばらく練習をしていましたが、ペアリフトの頂上で全員偶然にも一緒になり谷川岳をバックに記念写真を撮り、その後佐藤さん、鈴木さんはいきなり直滑降で行方不明。残る荒川さんと何度となく転ぶ私には、服部さんが親切に何回も同じコースを続けながらのアドバイスをしてくれました。まわりのスキーヤーは色とりどりの、この冬流行というパステルカラーのワンピースで決めていましたが、私たちも負けずに原色の青や赤のヤッケにカッパ、スパッツ、足元ガッチリ登山靴と見た目はともかく、装備に関しては全く引けをとらない、なかなか粋なスタイルだなと思いました。
 全員11回チケットを買い丁度いい回数でしたが、佐藤さんだけは頂上で酒盛りをしていたため殆ど手付かず。この時は、本当にお酒の好きな人なんだなと新たな一面を見たようでした。
 13時から17時まで4時間、目一杯滑り、さてそろそろお腹もすく頃と雪洞に戻ると、翌朝のパンそして殆どのお菓子がうさぎに荒らされるという災難で"こんな事でしょげるんじゃないよ"と言っていた鈴木さんが、最後まで自分の持って来たクレープクッキーを食べられたことにこだわっているのが、おかしくとても印象的でした。バーナーの使い方を教わりながらカレーの支度。この他にザックの中に残っていたお菓子と、鈴木さんの自家製ドレッシングサラダと、デザートは服部さんのプリンも加わるという災難にあったとは思えない豪華メニューで話もはずみ、就寝は真夜中でした。
 佐藤さんと鈴木さんの間にスペースをとった私でしたが、5分とたたないうちに両側から二人の寝息(ということにしておきます)が聞こえ、色々経験を積んでいる人は、どんな条件のところでもさすがに寝付きがいいなと一人暗闇の中で感心しました、と同時に寝る場所の選抜を間違えたと後悔しました。
 2時15分、足・腰が冷えて目が覚めると、服部さんは暑くてカッパを脱いでいたのでそれを借りるなど、以後定期的に雪床?から伝わる冷たさで起きました。勿論両隣からは私が寝付かれないのも露知らず相変わらずの寝息でした。後で判ったことですがみんな共同シートの他に個人用マットを敷いているのを発見して思わず経験不足を認識してしまいました。
 こんな感じで一晩過ごしましたが寝不足なんて何のその、7時、いざスキーにと心は弾み? 昨日に引き続き各自スキーを楽しみました。2度目の全員の記念写真だけが今回のメンバーなんだなあと証明してくれるだけで、結局最後まで全員一緒に滑るということはなかったようです。
 12時30分、ザックを背負ったまま佐藤さん、鈴木さんはペアリフトの頂上から麓の谷川ケーブルまで一気に滑り、残るメンバーはケーブルで降り、そこからは谷川温泉に直行。一ノ倉方面から降りてきた中沢さん、植村さん、金子さん、田中さんと田中さんの友達、同じくスキーに来ていた播磨さんと合流し、16時までのんびりしていました。帰りは16時20分の電車で余裕の帰京でした。


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