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会津駒は冬だった
小泉 周子

山行日 1986年11月15日~16日
メンバー (L)小泉、川又、金子

 田原氏に車を借りて10時30分頃出発する。桧枝岐を目指す。途中、雨がぱらついてきた。桧枝岐に近づくにつれ、道の端々に雪が積っているのが見えて来た。3時頃桧枝岐に入った所で仮眠をとる。
 翌日、滝沢橋を出発。二人組のパーティが先を行った。林道を30分程で木梯子を登り山道となる。雪は少なく土が見えている。展望は良くない。私も川又さんも寝不足で調子は良くない。
 初めの急登をすぎ、共同アンテナの付近でやっと5分の1を来た。徐々に雪も深くなってきたが、先行パーティのトレースがあるので楽である。やがて雪も膝あたりまでになり、スパッツとヤッケを着る。こんなに雪があるなんて思わなかった。そんな言葉を口々に登って行く。湿地帯である上部は、ほとんど視界はゼロ。先行のパーティも途中で戻ってしまう。他の1パーティも森林限界で帰ってしまった。結局我々だけが金子氏のラッセルで進んで行った。でも視界は悪く、雪と風も強いため、ルートは半分カンに頼っていた。だから小屋が見えた時はホッとした。天幕もまさかこんなに雪があるなんて思わなかったので、内張りではなくフライを持ってきてしまった。その日はそのまま頂上をアタックするつもりだったが、天候が悪いため見合わせた。
 翌朝、4時に外を見たら相変らずの雪と風。視界も悪いので、頂上ピストンは無理として再びシュラフにもぐり込んだ。6時に起床して下山の仕度にかかる。外は相変らずで昨夜に比べ雪は20cm程積ったみたいだ。この湿地帯は平ったいので方向がわかりずらい。目印も無いので余り好ましくない所だ。下山も赤印を見つけながら、あっちだ、こっちだと探しながら下ってくる始末。森林帯に入りホッとする山行だった。

〈コースタイム〉
11月15日 滝沢橋発(8:30) → 水場(11:20) → 駒ノ小屋(14:00)
11月16日 駒ノ小屋発(8:00) → 滝沢橋(10:30)

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