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中国地方の山
小泉 周子

 「これっ!」といった山を登ったわけではないが、あまり皆さんご存知ないだろうと思い報告する事にした。中国地方では「山」と書いて"sen"と読む。私の登ったのは那岐山といって、島根と岡山の県境に位置する1240メートル余りの山である。
 前日夜、津山駅で友人と久しぶりの再会を果たし駅で寝る。当日はバスで1時間揺られ、更に林道を1時間歩く。しかしその途中、軽トラックの荷台に乗せてもらい、ちょっといい気分。霧雨が降る中、山側に大きな虹が見えた。更に二重の虹となるとっても感動。久しぶりの感動。林道の途中で下してもらい登山口まで再び歩く。登山口の菩提寺からは稜線まで30分階段の急登。真剣に頭にきた。唯つかれるだけだ。稜線からはゆるやかな道が続く。しかし、ヒョウが降ってきた、バラバラと痛いぐらいだ。展望もガスっていて悪い。それでも馬鹿話をしながら進む。稜線上はほとんど木らしい木はない。クマ笹ばかりだ。日本海側からのきつい風により育たないらしい。しかし、何故か山肌はなだらかである。おかげで山頂は360度の好展望―のはずだがガスっていて何も見えない。とにかく寒い。ハゲ山みたいだから風も強い。即、下山となる。下山路は紅葉がとても美しい。またまた感動、そのうちに雪が降って来た。思わずキャーキャー騒いでしまう。今シーズン初めての雪だった。
 半分はつき合いで登ることになった今回の山行。当初は「なんでこんなとこまで来て、山登んなきゃならないのョ。」なんて思ってたけど、東日本の山とはまたちがった良さを味わえた。


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