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古賀志山
藤居 陽子

山行日 1986年11月16日
メンバー 野口、田原(父)、藤居夫妻

 東武浅草駅に7時45分に集合、野口さんの白いハンチングが目につくので集まりやすい。
 8時10分発の快速に乗車のためホームに並んでいると、老婦人からこの電車は途中で切り離しになると聞いたが前の方で大丈夫ですかと聞かれた。どこへ行くのか尋ねると、友人と大平山へ行く予定で7時から待っているが会えずに困っているとのこと。そこで野口さんがこの電車でよいこと又、大平山はバスが上迄行くのであとから追いかけても途中で会えますよと言うと、納得して一緒に乗車した。人まかせの山行はすすすめ出来ない。
 天気は良く車窓から筑波、赤城、日光連山のうち男体山が白い帽子を被っているのが一際目につく。新鹿沼駅で下車すると山頂近く紅葉の中に巨岩、絶壁を埋めた様な特異な山容の古賀志山が聳え立ち登高意欲が湧いてくる。タクシーで城山小学校脇の山道に入り不動の滝入口で下車。身仕度を整え出発したが、田原さんのお父さんは車で奥まで入っては足ならしができないとこぼしておられた。最後の水場の不動の滝は水が涸れていた。脇の岩場では女性を交えたパーティがロッククライミングの練習をしていた。高さは5・60メートル位だろうか、上部は少しオーバーハングしていて恐ろしげに思え、おもわずヘルメットをかぶった女性の顔を見てしまった。
 ここから沢ぞいの急登となり、小休止の後電光型のジグザグを登り切ると間もなく稜線の鞍部に飛び出す。すぐに左折し、岩場を2ヶ所越えると御岳山頂である。展望は素晴らしく、途中の車窓から見えた日光の山並を始めとする関東の山々が、身近に手に取るように見えた。
 快晴無風、小春日和の山頂でしばしの休憩。古賀志山へは鞍部まで戻り岩場を少し行く。稜線上に神社が安置されていて、掲示板には参拝方法として、
  前倫詞、
   先祖の業と自分自身の業、
   現在の業を消滅して下さい。(一唱)。
   アジマリカム (三唱)。
と記してあった。又横にはこの神社の本山である大世自心霊宗のパンフレットが箱に入れてあり、熱心に御参りしている家族づれからの説明で、この山が昔からの信仰の山であることを知った。古賀志山頂は一投足で11時50分着。先着の子供連れの夫婦がラーメンを作っていたので我々もここで昼食にする。
 早速豚汁の仕度をしながら今回の山行を計画して下さった野口さんに感謝し皆さんの活躍を祈ってビールで乾杯、充分に飲み食べ、ダべって下山にかかる。富士見峠を右折、細野ダムに向かった。落葉の中をカサコソと音を残しての降りは、晩秋の味わいのある情緒ではなかろうか。ダムからは林道となり、森林公園のバス停では時間があるので先まで歩くことにする。赤川を過ぎて細野入口でバスに乗り東武宇都宮へ、新栃木駅乗り換えで秋の日もとっぷり暮れた18時すぎ浅草着、解散した。
 古賀志山は583mの低山ながら岩場などもあり展望は抜群、天気も良くのんびりと歩けました。

〈コースタイム〉
新鹿沼(タクシー)不動の滝入口着(10:10) → 稜線(11:00) → 御岳山(11:10) → 古賀志山(11:50~13:00) → 富士見峠(13:15) → 森林公園(14:10) → 細野入口バス停(15:00)

費用
浅草~新鹿沼(東武) 890円
新鹿沼~不動の滝入口(タクシー) 1670円
細野入口~宇都宮(バス) 410円
宇都宮~浅草(東武) 890円


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