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雲取山集中山行
その4 鴨沢より尾根隊
宇野沢 裕子

山行日 1986年9月7日
メンバー 播磨、中村、勝部、庄野、宇野沢

 9月6日、土曜の夜行で新宿から奥多摩に向った。日曜日の天気は曇り後雨ということで、前夜からうっとうしい雲が空にたれこめている。急に決まった山行だったので、下調べも何もせずに、ただ、あまり役に立たない地図を1枚買ったきり、雨具とシュラフと2食分のオニギリをザックにつめて出かけた。
 奥多摩の駅に着いたのは、確かまだ午前12時前だったと思う。中村さんや勝部さんたちが、持って来てくれたつまみとビールを買いこんできて、しばらくドンチャンやっていた。途中、車で来た人達も加わったりして、なごやかな雰囲気に満足していた。
 翌日は7時頃起きる。登りは3時間と聞いていたけれど、実際お腹はすくし、体力はもたないしで、長くきびしかったような気分がする。歩いている間中自分はやめたいくらいへとへとになっているのに、同じグループの人達が、顔色も変えずしきりに会話をかわしたり、道端に咲いている花を立ち止って見ていられる余裕があるのが不思議だった。
 あえぎあえぎ歩きながら山頂に着く寸前でビールで乾杯する。これ程ビールがおいしく感じたのは、全くはじめてだったので「今度から山にはビールを持って行くことにしよう」などと考えながら、顔をまっ赤にして、ふらふらと最後の登りにかかる。やっと山頂に着いた時、ビールが入っていたこともあって、何を考えていたのか余り思い出せない。
 曇りのためか、今回の山行は、自然がよかったとか、景色が美しかったとかいった印象よりも、前夜に飲んだビールやつまみの味がよかったという印象や、それにもまして、登りがどうしようもなくつらかったという印象ばかり強く残ってしまった。これからもう少し体力をつけなくては、などと今考えている。


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