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特集 山の食事
その2 アキコ風食事考案
鈴木 章子

 どの山へ行っても原稿に悩まされた事がない。私の持つ気迫とダラシなさに誰も書けと言わない。それが心ならずも自慢だったのにチカ太郎メ、やさしい声で「相談があるの、ダメって言わないでね」何て、甘い声で言われれば女の私だってゾクゾク「イイワまかせなさい!」、とは言ったものの、山の食事についての原稿だなんて、女はやっぱり魔物だよ。
 山へ行くと何故か食当。女性なら誰でも経験する事。私なんか三峰の山行で食当にならなかったのが何と2回。三峰に入って3年目。如何に私が食いしんぼうのホクロが一杯あるからと言っても、少し酷いと思いませんか。1食なら我慢も出来るけれど、時には全部という時もあるのです。私は今ここに怒りをぶちまけたい。でもねえ、食に貪欲な者を食当に選ぶ事は懸命な手段なのかも知れない。酷い目に合わないし、いざという時レパートリーの広さがものを言う。結構、山ではアレを忘れた、コレもないって事が多い。よく山行食事の記事を見ると、
1、軽くてかさばらない。2、安価。3、調理が簡単。4、美味しい。5、保存がきく、等々。「軽くてかさばらない」は重要だけれど、他はその時々の状況で変化して当然。食当にあたった人の好きなもの、食べてみたいもの、自信のあるものの中から選べば失敗が少ない。山で失敗すると変な責任感におそわれる。特に最初の頃は自分までが悲しくなってくる。そんな時にメンバーが好き嫌いを口に出そうものなら、パーティで行く山が嫌になってしまうかも知れない。とにかく自信を持って「作るのも自分、持って行くのも自分。自分が一番偉いんだ!!」この自信が全てを美味しくしてくれると思う、頑張って下さい。
 次にレパートリーの広さとは、一番良い例がハンバーグ。ハンバーグ(表面を焼いて食べるやつ)を買う。

  1. フライパンで焼く。
  2. それにパインを乗せて、ハワイアン。
  3. ベーコンを乗せたら、スペイン風。
  4. タマゴを乗せたら、ロシア風?。
  5. チーズを乗せたら、チロル風??。
  6. 醤油と酒を少しかければ和風。
  7. ケチャップとコンソメでコトコト煮込みのハンバーグ。そこに適当な野菜を添えたらハイ出来上り。

調理なんて、たったこれだけです。
 参考として私の過去の参考の食事をあげておきます。

  1. 牛丼(肉を汁で一煮してから持って行くと日持ちする)
  2. タマゴ丼
  3. シチュー
  4. カレー
  5. 焼肉
  6. 鍋物
  7. みそ田楽(肉ミソを家で作って行くと山でほとんどする事がない)
  8. 肉ジャガ(本当はコンビーフジャガ)
  9. 煮込みウドン
  10. お好み焼き
  11. マーボナス
  12. 五目寿し(手巻寿し)
  13. チャーハン(アルファ米の残りを炒める、これはかなりグー)等々・・・・・

 どんどん浮かんでくるけど、私が今一番困っているのは朝食です。
 ラーメン、ウドン、雑煮、雑炊(玄さん)、リゾット(洋風雑炊)、納豆、パン(+)スープ(行動食で使うため喜ばれない)等々・・・・・。何か他に良い案があれば教えて下さい。
 最後に私が今思案中のものは、冬山へ持って行く野菜。冷凍食品は電車の中で一度とけるため、味や品質ともに落ちるし、ドライフーズはさみしい(ネギぐらいならよいが)。そこで冷凍野菜を使える一歩手前まで調理して、山で冷凍しようという案。少し手間がかかるけれど、それでも野菜が食べたい私、頑張ります。2~3自信があります。今年の冬山が実験場所。期待して下さい、皆さん美味しいものを食べましょう。


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