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矢倉岳
渡辺 恵美子

山行日 1986年11月22日
メンバー 野口、渡辺(恵)

 11月22日、7時56分発急行小田原行きの電車に乗る。土曜日なので学生とサラリーマンで案外混んでいた。
 実は腰と足が以前の山行で、転んだり滑ったりで傷めていたが、余り歩かないと足が鈍ってしまうので、何処か近い山へでもと思っていたところ、野口さんから矢倉岳へ行かないかと、誘いがあったので、天気も良さそうなので行くことにした。
 新松田着が9時50分頃、階段を上った通路から富士山が青空にくっきりと聳えている。駅前からタクシーに乗り矢倉沢部落で下車。コーヒーを買い、パンで簡単な朝食を歩きながら食べる。舗装されているが、急な坂道を晩秋の陽を浴びながら10分も歩くともう汗ばんでくる。薄着になって歩きだす。舗装道路の終りに倉庫みたいな家があり、此処で左折するといよいよ山道となり、最初から急登で落葉の上を歩くと、また滑るのではと足でけちらしながら歩く。しばらく登ると樹間から青空が見えてきたので、山頂は近いと思いながらやや平坦になった道を行くと、視界が開けて前方にこんもりとした矢倉岳が現われる。小休止してから最後の急登が始まる。約20分ぐらい登れば山頂だと野口さんは言う。
 山頂からの眺めは素晴らしい。青空のもと裾野を雄大に広げた富士山をはじめ、丹沢、箱根外輪山、大湧谷の噴煙も見える。雲一つない小春日和の中で昼食とする。「もつ」を煮て、野口さんはウィスキー、私はコーヒーで乾杯。
 帰路は富士山を真正面に見ながら下りにかかる。足柄峠への道と別れて、酒水の滝に向う。山道から林道になり、又山道になり最後は林道で山裾をぐるぐる廻りながら、いいかげんあきた頃に滝の近くに出て、川ぞいに行くと酒水の滝にたどり着く。滝は30数メートルあり、案外水量も多く轟々と落下している。ここで最後の休憩をとり、樋口橋バス停から新松田駅着、帰京する。
 今回の山行は晴天に恵まれ、また土曜日なので山頂では数パーティと会っただけで、登りも降りも全然人に会わない静かな山行でした。

〈コースタイム〉
新松田発(9:55)(ハイヤー) → 矢倉沢部落(10:05~10:10) → 矢倉岳(11:45~13:10) → 酒水の滝(15:10~15:30) → バス停(16:00)


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