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上昇気流
野口 孝司

 春は日増しに強くなる日差しで、地面付近は著しく暖まり上昇気流が発生する。日本のように四方海に囲まれた国は別として、大陸内部、特に砂漠地帯では北方から寒気が南下すると、焼けたフライパンの上に油を注いだように激しい上昇気流が発生する。アメリカのトルネードと呼ばれる竜巻、中国の黄砂、アラビアのハムシンと呼ばれる砂あらしは、この上昇気流が原因でおこる。アラビア方面の定期航空はこの上昇気流を避けるため、日没後と日の出前を選んで飛ぶという。
 冬の間、高気圧が居座っていた大陸に低気圧が発生するようになったのも、強い日差しで上昇気流がおこりやすくなったためである。日本の西、ヨーロッパあたりまで、低気圧と高気圧が交互に並び、次々に東進して、天気は周期的に変わっている。


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