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富士山・雪上訓練
佐藤 明

山行日 1986年11月29日~30日
メンバー (L)佐藤(明)、金子、服部、河合、国分、高木(忍)、本山、宇野沢

 昭和61年11月28日、21時5分発の列車に乗車して、大月駅で富士急行の最終電車に乗り換える。富士吉田駅前のバスターミナルの待合室は鍵が掛かっていないため、ここを無断で占拠し宴会となる。午前1時に就寝。
 翌29日、タクシーで中の茶屋迄(1420円)入り、ここから火山灰の道をてれてれ歩き出す。緩やかな上りにだらけながらも1時間で馬返し。更に2時間30分で五合目に到着する。
 佐藤小屋下の広場にエスパース2張をはり、昼食後、土の上でのアイゼンワークと草の斜面での滑落停止などやるが、雪訓の雰囲気がいま一つ盛り上がらない。しかしザイルワークとなると、パズルめいたところもあったためか皆真剣になり、夕暮ぎりぎりまで訓練に打ちこんだ。
 30日、起床2時半、餅ラーメンを食べ4時半出発。満天の星空の下を黙々と進むが、河口湖畔のホテルの明りも美しく、この天気では頂上からの眺めもさぞかし、と胸おどらす。七合目より雪が出てくるところは例年どうりである。この辺で夜明けとなり、オレンジ色に輝く南アの山なみが印象的である。八合目よりアイゼンを付け、つむじ風に耐風姿勢を取りながらも10時半頂上着。クラスと等もなく、冬富士にしては登山日和なのだろう。快晴で素晴らしい眺めなものの、強風とその寒気に耐えられず景色もそこそこに下山する。11時。
 下りは八合目迄、佐藤―高木―河合と金子―宇野沢とでアンザイレンして安全を確保した。五合目着13時。お茶を飲んだのち天幕をたたみ、14時出発。1時間10分で馬返しに到着。待ってもらっていたタクシーに乗り(4000円)、富士吉田より15時49分発の電車で帰京する。この付近にはいい温泉がないため、不本意ながら臭い体での帰宅となった。「富岳貸切自動車」のタクシーだけは、馬返しへでも、滝沢林道経由で五合目迄は行ってくれるとのことである。なお三合目から徒歩1時間で五合目に到着する。


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