トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ261号目次

八ヶ岳小同心クラック
竹内 美智子

山行日 1986年12月20日~21日
メンバー (L)湯谷、井上、竹内

 12月20日、(土)、前夜、私用で予定の列車に乗れなかった湯谷さんが一番の特急で到着。先行していた我々と茅野駅で無事合流できたものの、すでに9時30分。今日はもう駄目かなっていう時間。タクシーで美濃戸口まで入り、赤岳鉱泉まで歩く。結局、鉱泉に着いたのは13時頃になってしまった。1日目に小同心、2日目に大同心という充実した計画で来たのだが、今日は、入山のみということになる。それも気力の充実ということになるのかも・・・。燃料節約のため三人で小屋に行き、ストーブにあたる、おしゃべりしたり、ぼーっとしたり。この日天気はくもりで、時々雪が舞う、しかし、夕方には晴れて雪の衣をまとったばかりの大同心がながめられた。
 12月21日(日)。未だうす暗い内に出発する。アプローチで大同心ルンゼに入りすぎてしまい、大同心稜の側壁を登るハメになる。浅いルンゼから取付き、急なブッシュの中を登る。雪が少なく凍っているのでいやらしい。でもこういう"道"でないところを登るのは、けっこうおもしろい。大同心稜に出て、大同心基部から小同心へトラバースする。
 小同心クラックには先行パーティがあり、私達が登り始めると、後続2パーティあった。湯谷さんはトップで登らなくていいんですかと言ってくれたが、ちょっと自信がもてず、全ておまかせしてしまった。アイゼンでトップは経験がないし、ピンも少ないから。ホールドもスタンスもいっぱいあるのだが、冬の装備を身につけていると体が思うように動かせず恐い。
 小同心の左岩峰のピークに立ち、そこから大同心側へ下降する。一ヶ所懸垂下降して基部へもどる。
 この日天気は快晴、風もあまりなく上々の登攀日和だったが、やはり寒く条件の厳しいときの登攀を考えると、いかに自分の力が足りないかと思った。

〈コースタイム〉
20日 美濃戸口(10:05) → 赤岳鉱泉(12:55)
21日 赤岳鉱泉(6:00) → 登攀開始(9:00) → 左岩峰ピーク(12:00) → 大同心基部(13:30) → 赤岳鉱泉(14:00~15:15) → 美濃戸口(17:20)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ261号目次