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鷲頭山
野口 孝司

山行日 1987年1月11日
メンバー (L)原口、堀田、藤居、市川、野口、他2名

 鷲頭山は山の雑誌で紹介されなければ、東京の岳人には余り知られていないと思う。富士・箱根・伊豆国立公園にあり、沼津市の静浦に属し、駿河湾に面しているので展望は、富士山を初め大瀬崎からぐるりと廻って清水の海岸まで手に取るように見渡せる。標高は僅かに392mだが、村人の信仰のため登山道は整備されているが、読んで字の如く、中腹より鷲の頭の急登で頂上までロープが延々と張ってある。
 1月11日、新宿より小田急電車で小田原乗り換え、沼津駅で下りたが寒いのでクシャミを連発する。途中の新松田あたりでは富士山も見えて天気は良かったので、雨男と雨女が来たのに天気とはおかしいぞ、いずれ曇って雪でも降るのではないかと冗談を言っていたが、やはり曇って冷たい風が吹くのでマスクを買う。
 11番バス停より修善寺行きのバスに乗り、運転手に行き先を確認したところ、ただ「ウン」と言っただけなので不安を感じたのが的中し、バス停の名前が変更になったのを知らず乗りすごしてしまい(運転手も悪いと思ったのか運賃を40円まけてくれた)、志下のバス停まで戻り右折すると、魚の臭いがプンプンする。このあたりの住民は魚の干物を生業(なりわい)としているのであろうか、魚を加工する家が結構みられた。街角で老人に道を尋ねていたら、自転車に乗った漁師と思われる人が、横から割りこんで来て丁寧に教えてくれた。
 山道に入ると小さな堰堤があり、これを渡って登りにかかる。曇ってはいるが風がないので汗ばんでくるので、小休止しては薄着になって行く。しばらくの登りで飛び出したところが稜線で11時40分でした。一本とった後右折すると、これからが鷲の頭にあたる登りで、一直線の急な坂道にロープが延々と張ってある。4日前に降った雪が解けて赤土が滑って登りにくい。何度か滑ったり転んだりして、いいかげんに肩と腕が痛くなったころに神社が祭ってある山頂に出る事ができた。
 頂上着12時30分。天候は曇りでいやな黒い雲がいっぱいに広がっていて展望は駄目で、心配していた通り小雪がパラついて来たが、腹がへっていたので先ず食事の仕度にかかる。原口さん持参の大きい海老30匹を焼き、これを肴に乾杯。又バーベキューとシジミ汁を作っていると、三島市のバードウォッチングの団体さん50名程の人がやって来た。皆さんそれぞれの場所を取り休んでいたが、我々の料理の匂いで鼻をクンクンさせていたっけ。
 14時20分山頂を出発。登りとは反対の山道をかけ下り、先に出発していた団体さんを追いこして、バス停に着いたが待ち時間があるので、少し歩いて三嶽神社にお参りして、16時11分発のバスで沼津を経由して帰京しました。

費用
新宿~小田原(片道)  550円
小田原~沼津(片道)  700円
バス 沼津~志下    330円
    小山~沼津    280円


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