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八ヶ岳広河原沢
竹内 美智子

山行日 1986年12月7日
メンバー (L)千代田、湯谷、中沢、金子、田中、竹内

 私には、三峰に入会してから初めての山行である。前夜12月6日のうちに、新宿に集合し、そこから中沢氏の愛車を駆って八ヶ岳のふもとへ。中沢号にはウワサに聞いていた、あのオフトンが・・・私はあきれ、かつ感激する。ちょっと道に迷ったものの無事広河原林道終点に到着する。早速、美紀ちゃんや中沢さんの手料理で宴会が始まる。この手料理というところで、私は再び感激する。テントを張るのも面倒なので、全員が車の中で眠る。
 朝、明るくなるのは6時半頃かななどと確認しつつ眠ったのに、起きて見るとすでに7時半。外は案の定、小雨がぱらついている。やった!みんなで温泉に行こう!というには、ちょっとふんぎりがつかないような天気。どうせ降るならジャンジャン降ってくれればいいのに。とにかく行ってみましょうという千代田リーダーの言葉に、全員が重い腰を上げる。そこへ、顔見知りとおぼしき横浜蝸牛の二人が通りかかり、八人で出発する。
 私は冬山は2シーズン振りなので、登山靴をはいて歩くのもギクシャクするような感じだ。汗をかきながら30分ほど歩くと左俣の出合いで、更に沢を30分ほど行ったところで登攀具をつけた。小滝を二つ越えると、しばらく退屈な河原歩きが続く。いいかげん、しんどくなったところでクリスマスルンゼと呼ばれるらしい大滝が現れる。滝は二段になっており、下部は傾斜がゆるやかで、上部は氷柱が折り重なってシャンデリアのようになっている。
 先行パーティが登攀中だったので、私達は右岸の小ルンゼに登ることにする。傾斜がゆるやかなのでアンザイレンしないで登る。高さはあるが数段に分れているので登りやすい。上部の10mの滝が凍っていないため、懸垂下降で降りることにする。適当なリスがなくてピンがなかなか打てないでいるうちに、一時青空が見えていた天気がどんどん悪くなり、吹雪になってしまった。寒い、寒い、もう氷なんていいから早く帰りたい、という心境。ところが、ようやくピンを打って六人全員が下に降りたころには、ピタッと雪も風もやんでいた。そこで改めてクリスマスルンゼに登る。三人ずつアンザイレンしてテラスまで全員が登る。傾斜のきつい上部はお好きな人だけどうぞということで私と美紀ちゃんは、サッサと下に降りる。
 13時ごろここを引き揚げ、もと来た道をもどる。途中、すっかり天気が良くなり、真白な阿弥陀岳を眺めることが出来た。


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