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奥只見丸山スキー
中村 順

山行日 1987年4月26日
メンバー (L)田原、中村

 本来は八海山であったが、田原氏と二人なので奥只見丸山スキー場に変更する。4月25日夜出発し、約2時間半で関越自動車道の小出インターチェンジを出て、奥只見シルバーラインの長いトンネルを抜けて奥只見スキー場に到着した。4月の終わりだというのにシルバーラインに入ってから、あちこちで残雪を見る。この時期上越のスキー場で滑走可能な場所はほとんどないせいか、宿の前には多くの車が駐車している。ここはさすがに雪が多く宿の前まで雪がついている。しかし、久しぶりのスキーなのと、春山合宿に備えて歩こうと登山靴に山スキーのいでたちなので、ざくざくの雪と、こぶだらけの斜面にすってんころりんで、足もがくがくである。
 ゲレンデも時間とともにますます混んできたので昼前にアイゼンの歩行練習を始める。スキー場でアイゼンをつけて歩くだけというのは恥ずかしいので、千円で買った登山指導員の腕章をしてもっともらしく歩くと、人によっては御苦労様なんていわれて、いい気分である。林道を歩いていると、初心者の女性が我々と出会ったところで、ばったりとこける。無理もない。二人ともおよそゲレンデと場違いのニッカにハイソックスの登山の格好で、特に片方は白髪まじりのひげづらなのだから。ヤッホと声をかけて通りすぎる。ついでにかなりの急斜面をピッケルをつきさしながら登ってみる。なつかしい感触がもどってきて、これなら合宿は楽しみだとひとり思う。ここはリフトが4本でコースとしては上級もあり、まずまずというところである。しかし帰りに見たら下の方の駐車場まで満杯で、人が多すぎるのが今の時期の欠点である。山頂からのながめは天気がそれほどよくなかったにもかかわらず、尾瀬や越後の山々がながめられ、カメラを持ってこなかったことが悔やまれた。
 帰りは、大湯温泉に行き、ちょうど地方選挙の投票日で、投票所の脇に車を入れ、田原氏がタクシーの運ちゃんと「止めるな」、「止めていいといわれた」と大声で罵りあって止めてしまう。なおここでは、大湯温泉ホテルの手前に村人のために共同浴場があり、無料で温泉街の中にあってローカルな客筋でお勧めできる。

費用
交通費・食費などで1万円弱(車なので人数がそろえばもっと安くすむ)
リフト1日券 3000円


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