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丹沢水棚沢
ヨーカン岩崎

山行日 1987年5月24日
メンバー (L)岩崎、今村、今井、牧野、冨岡

 5月23日は、朝からずっと雨である。それでも明日24日は晴れるという予報なので、行くことに決めていた。
 新松田まで女房の運転で送ってもらい、22時頃に着いた。全員が集まったのは23時を過ぎてからで、私のいいかげんな集合のさせかたに、不愉快な思いをした方もいたことだろう。
 タクシーで寄(ヤドロギ)大橋まで入り、橋の上でビバークとなった。なかなか快適なビバークである。雨も降っていたけれども、酒も入って気分のいいものであった。
 翌、24日は晴れ、2時頃まで飲んでいたので頭が痛い。アプローチは橋を渡らずに雨山峠へ向かう林道を行き、林道終点から登山道、寄沢を渡る所で、数百メートル戻るような感じである。出合からいきなり堰堤がある。最初は、いかにロスをせず堰堤群を突破するかがポイントになってくる。堰堤の次は日当りのよいゴーロである。この歩きにはまいってしまった。暑いのだ。沢の水をガブガブと飲みながら歩く、そして堰堤をこえる。
 ゴーロが終わると、ようやく核心部に入る。小滝を越えて二段の滝が現れるが、この通過で手間をとってしまった。下段はやさしく越えられるが、上段は取り付いた直後にホールドがなく、のっぺりした部分がある。なんともいやらしい。濡れないと登れないので覚悟が必要だ。その滝も同じタイプの滝である。ぬめっている。草付が多く、ホールドがなかなか見つかりにくい。へたをするともろいホールドをつかんでしまう。高巻きは両岸が岩に囲まれているため巻く方がむずかしい。以上のようなことである。
 ゴーロ帯では暑くてたまらなかったのに核心部では、冷や汗をかいたせいか、身体中が冷えきっていた。核心部を終えた堰堤の前の日だまりで、日なたぼっこをかねて一本とる。堰堤越えが再び始まった、ガレも多く、足元が不安定だ。小滝を幾つか越えると、不思議と水が消え、ガレの登りとなった。ツメというものはいつもいやなものである。傾斜が急なのと、ガレがくずれやすく、落石ばかりだ。尾根のツメも木は枯れていたりして、冷や冷やさせられる。
 稜線へはすぐに出たように思うが、人それぞれ気分は違うだろう。檜岳へ向かうことにする。余り人も歩いていないようだが、しっかりと踏み跡はある。ピークへの登りはさほどきつくもなかった。
 檜岳からは踏み跡はあるけれども、ヤブをこいで行く。今村氏のナビゲートは絶妙だ。滑りやすい土で、笹で傷つきながらの下降だ。最後は竹林を抜けて、朝出た寄大橋へと着いた。

〈コースタイム〉
寄大橋(6:46) → 水棚沢出合(7:12~7:22) → 3m滝上部(8:10~8:20) → 10m滝上部(10:50~11:30) → 最後の堰堤上部(12:44~13:00) → 稜線(13:35) → 檜岳(13:56) → 寄大橋(16:15) → みろく山荘(17:16)

費用
新松田~寄大橋 タクシー代 3340円


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