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南本内岳
原口 藤雄

山行日 1987年6月27日~29日
メンバー (L)鈴木(章)、冨岡、原口

 前夜発、北上駅乗換えで、北上線陸中川尻駅に6時着。駅から湯田町山岳会の案内にて錦秋湖を経由、途中郵便局長さんで熊狩りの名人を乗せ、一路南本内沢に沿った林道の終点に向う。車の前をカモシカが競走するように走り抜けて行った。駅前では晴れていたが、林道の終点では土砂降りの雨となってしまった。しばらくは原生林の尾根の中を登る。小尾根を二つばかり越すと一面のお花畑に出る。残雪の間を抜け、昨年、湯田山岳会が新しく開拓した登山道を左折する。雪が多いためか登山道が所々消える。残雪の間の一面に咲くミズバショウに申し訳なく、なるべく踏まない様に気を使いつつ登る。(尾瀬ヶ原のミズバショウよりスケールが大きいのではないかと思われる)
 尾根に取り付くと強風がまっていた。南本内岳は焼石岳へ向う小尾根の肩の様な所に指導標が立っていた。ガスの中で記念撮影、林道から丁度3時間である。視界が悪いので時に登山道を外れてしまい、大きな岩の間をしばしの登りで焼石岳の頂上に立つ。飛ばされそうな勢いで強風と雨が下から吹き上げてくる。早々と下山する。仙水沼が大きな波を立てている。雪田を二つ渡り銀明水の非難小屋に到着。今夜はここで泊る。
 今日は、昨日とはうって変って快晴。焼石岳に登り直す事にする。気分良く、1時間程で頂上着、展望は360度、前に登った早池峰や岩手山に想いをはせる。しばし眺望を楽しみ横岳へ登り、尾根の途中から草付き目指して下ることにする。池塘や残雪、はい松を越えて登山道に出て楽しい一時を過ごし下山する事にする。小屋からつぶ沼に出るのだが、どうゆう訳かコースを上沼から中沼に間違えてしまった。引き返すのも面倒とひとまえ林道に出た。運良く軽トラックが来たのであけみさんが車の前に飛び出し「ニコッ」と笑顔、車上の人となる。歩くと3時間位の所をバスの終点まで30分程で着いた。程なく湯田山岳会員のバンに乗車し、待ち合わせのつぶ沼に向かう。今日は時間がないので夏油温泉は明日にする事とし、とりあえず湯田町にある会長の別荘へ向かう。別荘に荷を置いて、裏にある町営の共同浴場で一風呂あびる。帰ってくると差し入れのビール1ケース、テーブルの上には山菜料理とサシミの盛り合わせで歓待された。これも数年前、章子さんが山で出逢いがあった由との事。夜も更け、三人で広い別荘を借り切ってオヤスミなさい。
 翌日、車で夏油温泉に向かう。途中で湯田ダムを見学。和賀町から夏油川沿いの道を通り山間の夏油温泉に到着。まずは夏油山荘裏の洞穴温泉に三人で混浴、二人のシルエットが奥の方から眺めると美しく浮かび上っている。目の湯と真湯に入り、一路北上駅に。せっかくだからと北上の博物館を見学。展勝地から眼下の北上川、昨日までの山並を眺めながら新幹線の人となった。

〈コースタイム〉
6月27日 陸中川尻駅(6:00)~出発(6:40) → 林道終点(8:50) → 南本内岳(11:30) → 焼石岳(13:00) → 銀明水避難小屋(14:00)(泊)

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