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北ノ又川シッカイ沢
高橋 弘道

山行日 1987年8月29日~30日
メンバー (L)高橋(弘)、金子、甘楽

 最近のルート図集によると2泊3日となっているコースを1泊2日で行くというアホな計画を立て、8月28日上野発の夜行で出発。吹上で紅一点の甘楽さんと合流し、終点の越後湯沢で仮眠し、6時22分発の電車で小出まで行く。長岡行きの電車があったころは、こんなむだな時間をつぶすことはなかったと思うが仕方がない。
 小出からタクシーで銀山平の石抱橋まで入る。タクシー代6000円也。北ノ又川は石抱橋から上流は禁漁区となっており、ここには監視小屋が建っている。ここから左岸につけられた林道を行く。林道はすぐに右岸に渡り返し左に曲り始めるころ坪倉沢に出合う。ここで腹ごしらえをし、遡行準備をし出発。坪倉沢を下降しすぐに本谷に出合う。岩魚沢出合までは、徒渉などあるけど問題になる所はない。
 岩魚沢をすぎるとすぐに箱形ゴルジュである。沢幅3・4mで50mほどのトロが続く、ここは右岸の踏跡を高捲く。沢にもどり少し進むと大釜をもった小滝が現われる。左岸をへつりぎみに行き胸まで水につかり進む。
 滝ハナ沢からしばらく行くと20mほどのトロが現われる。先行する3人パーティはザイルを出し泳いで突破しようとしているが、我々は右岸を捲く。水温も低いのでまだ泳ぐ気にはあまりなれない。
 芝沢からは左岸の踏跡をたどる。先ほどの3人パーティは沢どうしに進むが、途中から水温が低く寒いと言って踏跡をたどってくる。捲道もいいかげんあきてくるころ右岸から大ビラヤス沢が流入してくる。更に捲道を進み板倉沢と、大ビラヤス沢の中間付近で沢に降りる。
 板倉沢出合からの先で古い遡行図では左岸を捲くようになっている所があるが、ここは左右どちらも捲ける。右岸は胸まで水につかりとりつくが、こちらの方が少し時間的に早く行ける。シッカイ沢手前で二条で10mの滝に出合うが、左側の上昇バンドを登り滝身に出て直上する所で水流を渡るとき少し思いきりがいる。この滝をすぎるとほどなく、シッカイ沢に出合う。
 シッカイ沢出合に15時着。予定より若干遅れているので、先へ進むかエスケープの予定をしていたシッカイ沢にするか迷うが、本谷上部は、今年のように雪が少ないと時間がかかりそうなので、シッカイ沢を遡行することにする。シッカイ沢は出合から少し行くと5mほどの釜をもった滝が現われる。胸まで水につかりそうなのと、シャワーをあびそうなので右岸を高捲く。出合から1時間30分のゴーロ歩きで、本日の遡行を打切りビバークすることにする。ヨモギを下に敷いて快適な幕場を作る。
 30日、3時起床、5時に出発する。すぐに8mの滝が現われ右側を登る。続いて20mの滝を登ると、ここから快適なナメが続く。水が消えた所から約15分のヤブコギで灰ノ又山付近の縦走路に出る。ここからヤブの多い縦走路を約1時間30分ほどで荒沢岳に着く。荒沢岳からの展望はすばらしい。北ノ又川の右岸の沢なども良く見える。荒沢岳からの縦走路は、前嵓から長い鎖場が続く。よくもこんな所に登山道を開いたものだと感心する。車で行くと日帰り可能なので、皆さんも行かれてみてはどうですか?
 暑さにバテながらも3時間ほどで村杉に着き、ビールの待っている白光岩のバス停までたどりつく。

〈コースタイム〉
8月29日 石抱橋(7:50) → 坪倉沢出合(8:20) → 岩魚沢出合(9:55) → 滝ハナ沢出合(10:45) → 芝沢出合(11:30) → 板倉沢出合(13:15) → シッカイ沢出合(15:15) → B.P(16:30)
8月30日 出発(5:00) → 稜線(7:15) → 荒沢岳(9:30) → 銀山平(13:20)

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