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和名倉沢(その2、金子隊)
勝部 辰朗

山行日 1987年6月20日~21日
メンバー (L)金子、高橋(弘)、今井、勝部

 6月19日夜、西武秩父駅にてステーションビバーク。6月20日、朝からエライ雨。気勢を削がれつつもタクシーが予約してあるとの事で仕方なく出発する。
 お花畑より三峰口まで電車、三峰口よりタクシーにて大洞林道の和名倉沢下降点まで行く。軟弱な私としてはいまいち気分がのらないが、なんせ総大将が今村さんのこと、雨だからどうのこうのという一言もなく、出合に向けて出発が始まってしまった。
 うちのパーティはなんとなく一番先に沢に入って行き、トップが誰ということもなく、なんとなく登り始め、いいペースで遡行して行った。この処ずっと雨がなかった事もあり、沢の水量は少ない。釣師がたくさん入るせいか、弁当とかのゴミが目立つ。
 沢自体悪場もなく、捲道もしっかりしていて楽だが、なにせ長い。標高差約1600mを登らなければならないのだから。久々の山行の私にはこたえる。その上、弘道氏のペース速いこと。ついて行くのにヒーハー、ヒーハー、ゼイゼイ。全くオニみたいなやつだ。本流を忠実につめて行き、二瀬尾根の道にぶつかる10mぐらい下にてツェルトを二つ張る。結局一日中降られどうしだった。1人~2人用のツェルトに四人入り込んで、酒を飲んで一息つく。狭い所に野郎ばっかで、せま苦しいわ、むさ苦しいわで困ったもんだ。夕食を食べてツェルトの中に傘をさして寝る。
 翌朝、沢は登ったから所期の目的は達したとの事で、和名倉のピークはパスして、二瀬尾根をスタコラ下りにかかる。途中で廃屋があり、ここで得意のルートファインディングを発揮して道を間違えてしまい、1時間位ロスをする。元の廃屋の所まで戻り、正規のルートを下る。ボサボサの笹ヤブだが、道はしっかりしている。
 相も変らず雨は降るは、道は間違えるは、下りは長いは、弘道はとばすは・・・。しかし和名倉山という山は、大きくて静かでいい山だった。最後に温泉が無かったのが心残りだった。

〈コースタイム〉
6月20日 林道下降点(7:50) → 沢出合(8:15) → 大滝(10:55) → 1300m地点(12:00) → 二瀬尾根B.P(15:15)
6月21日 B.P発(7:00) → 吊橋(11:40)

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