トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ264号目次

三ッ峠
日野 愛子
山行日 1987年10月7日~8日
メンバー (L)中沢、金子、竹内、荒川、高橋(弘)、高橋(清)、升田、日野

 11月7日夜、新宿スバルビル前から中沢号で出発。途中車内で仮眠し、裏登山口に着いたのは翌朝7時頃、前日の天気の心配もどこへやら、快晴に恵まれて出発。多少ぬかるむ道を登ってゲレンデへ、富士山も河口湖もよく見えている。
 ここで前々日に先発していた竹内、荒川、金子の三氏と合流。三氏は前々日駅でビバークして、前日表登山口から登って来たものの午後から雨で、早々にテントに入りこんで眠ってしまったとのこと。
 午前中、みんなは中央カンテへ、アイゼンをつけた岩登り訓練を兼ねるとのことで、プラスチックブーツにアイゼンの人、クレッターシューズの人、私のようにジョギングシューズの人等々。岩登りなんて初めての私は、ゼルバンの重さを感じながら中沢氏に御指導いただく。もやい結び、インクノット、懸垂下降、ビレイなど。しかし何分初めてのこと故、教えてもらった先から忘れていく。中央カンテ下の第一バンドまで2回往復した後は、唖然とみんなが下りてくるのを見上げる。
 午後は一般ルートへ、第一歩から私は足が届かない。立て、という周囲の声にもかかわらず上半身の筋肉がない私。中央から右のルートへ進むにも行きづまり、落ちそうになって恐がっていると、落ちろ!の罵声が飛ぶ。やや惨めな気持ちにとらわれることしばし。ようやく上部のくぼみにまで着いて下降のO.Kが出ると、及び腰の懸垂下降で無事着地、たちまち一般ルートや地蔵の方を登るみんなの観客と化してしまった私。できなくて当然と自分をなぐさめながらも、楽しいどころか、もう二度と来るものかとグチッてしまった一日だった。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ264号目次