トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ265号目次

茅ヶ岳
作田 千恵子

山行日 1988年2月21日
メンバー (L)服部、川森、佐藤(明)、作田

 茅ヶ岳に登るには、韮崎駅からバスかタクシーを利用するのが一般的だが、今回は宴会が出来て静かに眠れる穴山駅からタクシーを利用し、大明神の登山口迄行く。登山口6時10分。タクシーの都合で早朝の出発となってしまった。早朝だけに寒いこと寒いこと、手袋と帽子は離せない。登山口からちょっと入った所にある深田久弥記念碑に立ち寄る。道幅を広くした所為で、「百の頂に百の喜びあり」の石碑があるだけの、小公園といいがたい淋しいものとなっていた。
 林道が細い道になり、女岩着7時20分。水が糸のような細さで2・3本流れていた。朝食をとり7時50分出発。ここから茅ヶ岳と大明神岳を結ぶ稜線迄は急登となる。落葉のラッセルを楽しめるが、上部は土が乾いていて歩きにくい。稜線を5分程登ると、深田久弥の終焉の地を示す木柱が立っていた。それには、昭和46年3月21日11時23分処倒れる。とかそんなことが書いてあった。茅ヶ岳着8時40分。晴天に恵まれたが風がありとても寒い。しかし、八ヶ岳、南アルプスの展望は素晴らしい。百の頂に百の喜びである。寒さに負けて温泉を慕いこのまま下山の声が一人、二人、三人とあったが、リーダーの強い意思には温泉でも勝てなかった。
 金ヶ岳で大休止と決め9時15分出発。岩稜帯は日影の所為もあって凍っていた。金ヶ岳へは100m程の下りに160mの登りである。金ヶ岳着10時10分。今日(2月21日)が誕生日という明さんを、ケーキとシャンペン付で祝う。明さんにケーキは似合わないと思っていたら、さすがリーダー、用意されていたのはブランディケーキだった。金ヶ岳は茅ヶ岳より60m程高い山だが、回りに木があって展望は茅ヶ岳の方がいいようだ。予定の下山コースは東大宇宙研究所側だが、車道が長くいやになってしまうという理由から、下山して民家が最も近い金ヶ岳南峰より清川に下山するコースを選ぶ。金ヶ岳出発11時20分。清川に下山するコースは、岩っぽく急な上に凍っている。緊張はするし鎖や梯子などあり面白い下山道だ。林道に出たのが12時45分。林道を歩き出して30分、ノースランドという自然を相手に遊ぶことを目的とした様なインデアン村があった。(地図には載っていないし、タクシーの運ちゃんも知らなかった)。ここの人達は親切だった。400m先にある電話まで車を貸してくれたし、コーヒーもいれてくれた。しかし、驚かれた「山屋が、ここまでタクシーを呼ぶとは」と。

〈コースタイム〉
登山口(6:10) → 女岩(7:20~7:50) → 稜線(8:20) → 茅ヶ岳(8:40~9:15) → 金ヶ岳(10:10~11:20) → 林道(12:45) → ノースランド(13:15)

費用
穴山駅~登山道 タクシー代 3,400円
ノースランド~昇仙峡有料道路~甲府駅 7,640円(内300円は有料道路料金、1,000円は韮崎に帰る代賃)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ265号目次