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笛吹川東沢乙女の沢・氷瀑訓練
高橋 弘道

山行日 1988年2月7日
メンバー (L)高橋(弘)、井上、金子、竹内、内藤、荒川

 今年の氷瀑訓練は、毎度のごとく東沢乙女の沢で行った。暖冬のせいで氷の状態が心配だったが、氷の発達はよくなかったが状態はまずまずであった。
 予定の電車に乗るために立川駅まで行ってからアイゼンを忘れたのに気がつき、立川駅にいたメンバーを見送って朝一番の電車で塩山まで行くと、心やさしい三峰のみんなが待っていてくれた。ただ、バスの発車時刻が遅かっただけではあるが。
 タクシーに分乗して不動小屋まで入り、そこから林道を過ぎ東沢に入り、乙女の沢まで行くが、乙女の沢までがけっこういやらしい。いつもの年だと東沢は雪で埋まっているのだが、今年は雪が無く沢の氷結もあまいので、沢の中を歩くときは気をつかう。
 今回は乙女の滝だけにしようと思っていたのだが、メンバーの希望で上まで登ることにする。乙女の沢は相変らずの人気で混雑している。講習会場のような乙女の滝を越えると、いつもの年だと上部までザイルがスダレのようになっているのだが、今年は我々のパーティだけであった。沢が右に曲り少し登ると、40メートルの滝、80メートルの大滝と続き、数ピッチの連続した登攀が楽しめる。傾斜もさほどないので、それほど困難なところもなく、快適である。
 大滝を越えて少し登り、氷の消えたあたりで登攀を終了し、出合に戻る。出合に戻る途中で遅れた井上・荒川パーティを待って下山、電車の中で乾杯する。

 ☆最後にアイスピトンについて一言
 今回の訓練で井上さんと私の使用したチタン製のアイスピトンが、いずれも1回使用したらチューブの中に氷が詰まってしまい、再度使用できなくなった。他のチューブピトン(例えばシュイナード)などは氷が中に詰まっても再度使用できたが、チタン製はだめであった。暖かい日などは中の氷も落とし易いのだが、今回のような寒い日は氷が落ちないのである。ある本にはチタン製のピトンを使用しているとか出ているものがあるけれども、チタン製チューブピトンは絶対に買わない方が良い(値段も高い)。


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