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櫛形山
阿部 梨枝子
山行日 1988年6月19日
メンバー (L)小泉、今村、中沢、遊佐、大久保、井上、服部、小菅、石田、村上、阿部

 6月19日。山へ行く場合、展望がいいとか、花がきれいだとかそれぞれ色々な理由があるのだけれど、なんとなく山の名前に惹かれて、と言う場合もあったりする。今回の櫛形山は正にこのなんとなくの場合でロクに下調べもせずに、ただ「櫛形」という名前につられてやってきてしまった。6月18日夜、10時すぎ、車2台に分乗し新宿をあとにする。櫛形山へ登るにはいくつかのコースがあるが、今回は最も楽で最短距離である池の茶屋林道からのコースということで、最短であるだけに長い長い林道を車はずっと奥へ進んで行き、どんどん高度をかせいでくれる。時々窓から外を見ると、星が空一面に輝いている。これだけの星空を見るのは本当に久しぶりで、思わず感激してしまった。明日はきっとお天気にちがいない。
 翌日、朝食をすませて7時10分頃歩き始める。ほんの数分の登りで視界がひらけてくるが、振り返るとまだ雪を冠った山が見えている。どこの山かはっきりとはわからないが、たぶん赤石とか聖岳あたりの山ではないかと言うことだった。
 新緑の中、明るく開けた道を皆思い思いのペースで進んで行く。歩きながらエンレイソウ、マイヅルソウなどの花の名前を教えてもらう。
 30分程で三角点のあるピークへ到着。山頂はさらに20分位歩いたところにあり、ここからは五千円札の富士山にほぼ近い姿の富士山が望まれる。少し霞がかかっているため、まるで墨絵を見ているよう。富士山はやはりどこから見ても絵になる山なのだ。
 裸山を経てアヤメ平へと向かうが、残念ながらアヤメの時期には少し早すぎたようで、まだ葉が20~30センチ位にしか伸びていない。あと1ヶ月も遅ければ、辺り一面アヤメに埋められ、さぞかし見事であったろうに。
 休憩後、唐松岳方面へと足をのばすと、白峰三山がバッチリ見えてくる。甲斐駒ヶ岳もほんの少しだけ顔を見せているが、南には一度も行ったことのない私にとってはどちらの山もとても魅力的な山だ。機会があれば是非登ってみたいんだけれど・・・・。
 アヤマ平に戻り、ここからはまたもと来た道を引返し、12時20分登山口に到着する。赤石温泉に立寄り、入浴してから帰路についた。
 このコースはつらい登りはほとんどなく、見晴しも良く、梅雨時だというのに晴天にも恵まれ、終始のんびりペースでゆっくりと楽しむことができました。今度はアヤメの咲いている時期に行きましょう。

〈コースタイム〉
登山口(7:10) → 三角点ピーク(7:43) → 山頂(11:30) → 登山口(12:20)


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