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男体山(GOGO山行)
金子 隆雄

山行日 1989年2月18日~19日
メンバー (L)金子、川田、勝部、(次田)

 2月17日夜、JRを利用して日光に到着した。料金は東武のほうが安いが、時間の都合で東武は利用できなかった。宇都宮で川田さんと合流。家を出るときから降っていた雨はまだ降り続いている。JR日光駅のバス待合所で寝ようとしていたら、駅員がやってきてここで寝てはダメだと言う。しかし雨も降っていて行場のない我々はしつこく粘り、ようやく許可をもらい、ねぐらに在りつけた。そのかわり、身分証明書を見せろだの、住所・氏名を書けだのとうるさく言われた。
 寝る準備も整い、ぐっすり眠れるようにと一杯やっていると、パトカーがスーっと待合所の前に停まり、警官が2人こちらにやって来る。せっかく確保したねぐらを追い出されるのではと内心ヒヤヒヤする。段々近づいて来る、まだ近づいて来る、一歩一歩近づいて来る。駅員の許可をもらっていると言うと、そうかそれならしかたないな、山の方は雪だから気を付けて行くように、と言って去っていった。
 2月18日朝、昨日からの雨が雪に変りだした。今日も雨だったらいやだなぁと思っていたが、幸い雪になったので気を取り直して湯本行きのバスに乗る。二荒山神社前で下車し、すぐ神社の中に入る。普通この神社に入るには拝観料を取られるが、早朝だからかそれとも冬だからかは知らないが、誰もいないので勝手にどんどん奥へと入っていく。登拝門は閉ざされていて、10月23日から5月5日までは閉山されていて、登山は厳禁と書かれている。門の右側を抜けて、ここでスパッツを付け、朝食を食べる。
 しばらく雪の積もった石段を登ると一合目と書かれた石柱があり石段もなくなる。三合目で工事用の道路に合流し、四合目まで工事用道路を歩く。四合目から工事用道路と別れて急な山道となる。五合目の中ほどまでは観音薙と呼ばれる、岩がゴロゴロしているガレ場が続き歩きにくい。雪もだいぶ深くなり交代でラッセルするようになる。
 八合目下の鳥居をくぐると小さな神社が在り瀧川神社と書かれている。八合目を過ぎてほどなく傾斜は緩くなり山頂を捲くようにして登るようになると、更に雪は深くなり膝ぐらいまでのラッセルになる。九合目の石柱を左に見送ってしばらく行くと樹林帯も終り、風当たりが少し強くなるが、頂上はもうすぐだ。15時ちょうどに頂上着。ガスが出ており、展望はまるっきり望めない。写真を撮り小屋で休んでいると、すぐに30分が過ぎてしまう。
 時間は遅いが今日中に志津小屋までは下れるだろうと思い、15時30分に頂上を後にする。が、雪は思いの外深くて、1時間歩いてもほとんど進んでいない。この調子では明るいうちに下りきるのは無理と思われる。またこの先は傾斜がきつくなり、幕営する場所があるかどうかも判らないし、おまけに皆疲れきっているので今日はここで泊りとする。時刻は16時30分、太郎山も同じぐらいのラッセルがあるとすれば、明日のうちに太郎山を登るのは無理と判断し、断念することにする。
 2月19日、4時起床。朝飯はうどんのはずがなぜか焼うどんになっている。天気は昨日とうって変って快晴。6時20分に出発、下山は登りと同じルートにとることにする。昨日1時間かけて下ってきたところを今日は20分で登る。昨日のトレールがしっかりと残っているので今日は楽だ。
 山頂からは中禅寺湖が湖畔を白く縁取られて、美しく輝いて見える。快調にとばして一気に四合目まで下る。二荒山神社は通らず手前で左へ折れる道へ入ると県営無料駐車場の脇へ出られる。中禅寺温泉まで歩き温泉に浸かってから帰途に着く。


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